WGAの波紋――ベータ版の利用と検証は「義務」なのか(1/2)

June 13, 2006 07:15 PM
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 Microsoftが「Windows Update」を利用して、同社のサーバにインターネットによる毎日の「定期連絡」を行う海賊版対策ソフトウェアをインストールさせていることに批判が集まっていたが、これに対する同社の回答は実にお粗末なものだった。Microsoftが同ソフトウェアの自己インストール機能やPC上での動作に関して明らかにした見解は、控えめに言っても不適切かつ不十分である。悪くすれば、問題の核心を故意にごまかそうとしていると取られても仕方がなかった。もっとも、個人的には前者が事実だろうと思っている。おそらくは、Microsoft社内のすぐれた技術者に、発表予定の声明と実際のユーザーエクスペリエンスをつきあわせてチェックさせる余裕がなかったのだろう。いずれにしろ、Microsoftの回答と問題になった「Windows Genuine Advantage(WGA)」海賊版対策ソフトウェアは、われわれが生産系システムで利用するソフトウェアについて、同社が実施しているベータテストの方法に深刻な問題が存在している事実を浮き彫りにした。

 WGAのエンドユーザー向けライセンス契約書(End User License Agreement:EULA)には、次のような記述がある。

本ソフトウェアは、正規ライセンスを持たない「Windows XP」の使用を防ぐ同OSの技術的措置を強化するソフトウェアの事前公開版である。(中略)事前公開版である本製品の諸機能は、最終版とは異なる可能性がある。当社は最終的な商用版の仕様を変更する可能性があり、商用版をリリースしないことも考えられる。

「事前公開版」という用語が「ソフトウェア」という言葉とともに用いられている場合、一般市場はこれを、いまだ検証中で修正すべきバグが存在するソフトウェアだとしてとらえる。Microsoftが打ち出した今回の問題への対応策は、ソフトウェアの事前公開版が持つこうした性質をあらためて思い出させる内容だった。

同製品の動作に関するユーザーの懸念を受けて、われわれはWGAが新しいファイル設定をチェックする頻度を14日間ごとへ変更することを決めた。この変更は、WGAの次期版から反映される。また、WGAの世界提供が始まる今年後半には、同機能を無効化するつもりだ。

 WGAが「新しいファイル設定」をチェックするためにMicrosoftのサーバにアクセスする頻度を減らすという対応が取られれば、WGAの動作に関して消費者が抱く懸念はある程度解消されることになる。しかし、WGAが今年後半に世界中でリリースされる際に同機能が完全廃止されるというなら、現在進行中のあらゆる「チェック」作業――その頻度が毎日であろうと14日ごとであろうと――は、WGAソフトウェアを国際提供する前の理想的な動作検証テストとして活用されるのだろうと、ごく自然に考えられる。

(2/2へ続く)

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