Red Hatの逆襲とショッカーの逆襲

March 17, 2007 3:11 PM
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Oracleが「Unbreakable Linux 2.0」と呼ばれるRed Hat Linuxのサポートサービスを発表したのは去年の10月であった。これは、Oracleがソフトウェアのスタックをアプリケーション・レイヤーへと上るだけではなく、OSレイヤーへと下っていこうという意思と見ることができる。そうした状況の中、Red Hatはついに逆襲の手に出た。それが、「Red Hat Exchange」である。

ZDNetの記事によれば、「Red Hat Exchange」とは、Red Hat がそのブランド力のもとに、パートナー企業のオープンソースの「ソフトウェア販売、サポートの提供、ソフトウェアアップデートの配布を同社のRed Hat Netowrkを通じて行う」ものだという。また、参加企業には、「Enterprise DB、JasperSoft、SugarCRM、Zenoss、Zimbra、Zmanda、Compiere、Groundwork Open Source、Centric CRM」といった企業が含まれる。

まさにオープンソース連合による、プロプリエタリー陣営への逆襲といった感じである。しかし、Oracleがアプリケーション・レイヤーやOSレイヤーへ進出する際に、データベース事業と補完関係にあるビジネス領域を侵すという課題を抱えたのと同様に、Red Hatによるオープンソース軍団の組成は矛盾を包含せざるを得ない。つまり、Red Hat Linuxにとって商用ソフトによるサポートは重要であるはずだが、今回の「Red Hat Exchange」に参加する企業のオープンソース・ソフトウェアは、商用ソフトの競合でもあるのだ。

Red Hatがこうした動きに出た背景には、Oracleなど大手ソフトウェア・ベンダーがLinuxビジネスへの関心を非常に強めているという事実に加え、Red Hat Linuxのポジションが確立されたことへの自信というものがあるだろう。とはいえ、戦略上の矛盾を抱えていることは事実であり、今後もその動向は注目されるところである。

ところで、軍団による逆襲などという表現を使っていたら、例のM田君から紹介された珍商品を思い出した。「ショッカー幹部パーティーワインセット」。その但し書きにはこうある。「偉大なるショッカー首領と世界征服を祝うために作られたショッカー本部、至高の高級ワインです」。しかも、ショッカー幹部パーティーへの招待状まで付いてくるという。しかし、この招待状、字がへたくそだ。

が、このワインセット、ただものではない。そもそもショッカーというのは主役ではない。まぁ、最近の仮面ライダーは電車に乗ってるくらいだからいけてないのかもしれないが、主役の知名度を活用して脇役グッズを売るというのは、ITビジネスの世界でも結構常套手段の戦術なのである。例えば、SAPに対応したBIツールを提供するというようなものだ。さらに、「予約締切2007年4月25日」と、消費者の飢餓感を誘うあたり、わざが細かい。こんなものが売り切れるのかと思いながらも、つい欲しくなる演出だ。そして最後の味付けは招待状の中にある。一部引用する。

...なお、このパーティーの最大の目的は我々の裏切り者である仮面ライダーを倒す事である。貴公の参加をお待ちする。  ショッカー日本支部長 ゾル大佐

この共通の敵を想定する演出は、ビジネス・マネージメント的にも大切なことである。冒頭のRed Hatの話に戻るが、例えビジネス的な矛盾を孕んでいるとしても、「商用ソフト」という共通の敵を見据えたオープンソース連合の結束は固いのである。(別にRed Hatをショッカーに喩えているわけではない)

い、いかん、導入部と本題がいつもと逆だ!!

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プロフィール
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
電通国際情報サービスにてビジネス企画を担当。92年、東京大学文学部仏文科卒業後、不確かな世界を求めてIT業界へ。金融機関向けのITソリューションの開発・企画を担当。その後ロンドン勤務を経て、マンチェスター・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。知る人ぞ知る現代美術の老舗、美学校にも在籍していた。報われることのない釣り師。
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