粘菌作戦

December 9, 2007 10:59 PM
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動物のように動き回って微生物を採食するかと思えば、植物のように胞子を作って繁殖をする。この動物と植物の中間的存在を粘菌という。そしてその研究に熱を注いだのが、いつでもゲロを吐く特技を持つ南方熊楠であった。

南方熊楠は在野の学者で、10年くらい前にもその活動が脚光を浴びていた時期があり、その博物学的な研究スタイルと世界を股に駆けた破天荒な人生に興味を引かれたものである。それが最近、青山のワタリウムで熊楠をフィーチャーした展覧会が開催されていたものでつい行ってしまったのである。

そこには、南方熊楠が採取した粘菌がノートに貼り付けられて大量に展示されていた。干からびて汚らしくも見えるが、その1つ1つが動物でもあり植物でもある不可思議な生き物の標本であることを考えると、実に不気味なコラージュ作品である。

南方曼荼羅とも言われる世界観を形作ったこの奇人が強い関心を示しただけに、生命の境界線を行き来するこの粘菌という生き物は、我々の存在そのものに疑問を投げかける力を持つようである。

こういう粘菌の話をした後で、OSを別のプラットフォームへ移植するなんていう話を聞くと、まるで粘菌をある場所から別の場所へ移植するのと同じような響きで聞こえたりするのである。先週のニュースはSunのSolarisをIBMのメインフレームへ移植したというもの。ジワジワと形を変形させつつ別の場所へ移動し、そしてそこで胞子を出すかのようにアプリケーションを生み出していく。

最近のIT業界、全般的にジワジワとビジネスの形態を変えていく企業が多く、あたかも粘菌化したかの様相かななどと感じるのであるが、そこで働く我々も粘菌化しないと生き残っていけないかななどと思うのである。あれ、何のブログだったかな? いつもすんません編集長。

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プロフィール
飯田哲夫(Tetsuo Iida)
電通国際情報サービスにてビジネス企画を担当。92年、東京大学文学部仏文科卒業後、不確かな世界を求めてIT業界へ。金融機関向けのITソリューションの開発・企画を担当。その後ロンドン勤務を経て、マンチェスター・ビジネス・スクールにて経営学修士(MBA)を取得。知る人ぞ知る現代美術の老舗、美学校にも在籍していた。報われることのない釣り師。
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