電話の文化 4 ボイスメール 後編

July 28, 2006 08:46 AM
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前編でお話したとおり、某商社では本社でもボイスメールが導入され、使われ始めた。

しかし実際に使ってみると、米国で使っていたものとは操作性は全く異なるものだった。米国で一般的に使われているボイスメールはと言うと、どのメーカーの製品であっても操作機能はツリー状の階層構造になっていて、操作方法を覚えていなくても音声ガイダンスを聞いているだけでほぼ確実に一回で所定の機能にたどり着くことができる。しかし、日本で導入されたボイスメールはというと、各種機能が平面的につくりこまれていて、それぞれの機能を呼び出すのに2桁の機能コードを指定しないとならないのだ。2桁の機能コードを機能の数だけ覚えるのは大変な努力だ。音声ガイダンスによるヘルプもあるが、このヘルプを聞こうものなら数十もある機能コードを延々と読み上げ、目的の機能コードが分かるまで相当な時間がかかる。日本ではボイスメールの需要が少ない分、操作性の改善も遅れているのだと感じた。

米国製のボイスメールの操作性がある程度統一されているのには理由がある。ボイスメールシステムを色々なメーカーが開発し始めた1980年代後期は、いろいろなユーザーインタフェース(操作手順)が開発され、操作方法はメーカー間でばらばらであった。ボイスメールの普及に伴い、ユーザーが接するボイスメールの種類が増え操作性面で混乱をきたす懸念があった。そこで、ベル系電話会社、AT&T、ボイスメールメーカーなどが集まり、ユーザーインタフェースをなるべく統一しユーザーの利便性を向上する目的で、VMUIF: Voice Mail User Interface Forum(訳:ボイスメール・ユーザーインタフェース標準化協議会)という団体を組織しインタフェースの標準を作成した。この標準策定にあたっては、取扱説明無しでも操作ができることを目標とし、膨大な数の被験者、それも情報機器操作に疎いタイプの被験者を使った操作性検証を行った。被験者に簡単な機能説明をした上で、取扱説明書を渡さずにどれくらい目的操作ができるかを調べながら操作性を改善したのだ。

勿論、標準とは呼んでいるものの、既存のお客様を抱えているキャリアやメーカーがある日突然操作方法を変更するわけにもいかないので、即日すべての操作性が統一されたというわけではないが、時間をかけて少しずつ標準に近づける努力をした結果、今日では、全く同じとまでは言わないが戸惑わない程度に同じ操作性になっている。

現在、日本においても、携帯電話サービスのボイスメールサービスは複数の事業者間である程度操作方法に統一性がある。この理由も、もともとそれら事業者が導入したボイスメールの設備はVMUIF標準を目標にユーザーインタフェースが設計されていたからだ。

今日現在、ボイスメールは未だ日本の企業通信文化に根ざしているとは言えない状況だが、携帯電話のボイスメールにそろそろ企業ユーザーも慣れてきていると思うので、日本でもこれからボイスメールの文化が立ち上がってくると期待される。また、同じように蓄積型のメッセージングであるE-mailなどと統合管理できたり、音声認識など高度な技術と組み合わせて更なる利便性を追求した、いわゆるユニファイド・コミュニケーションと呼ばれる製品も増えてきた。ボイスメールを使い始めるきっかけはどうあれ、チーム単位での仕事が多い日本では一度使ったらその便利さは忘れられないだろう。

ただ、機種選定にあたっては、カタログや提案書上の機能リストだけでなく、是非ユーザーインタフェースの操作性にも気を遣いたいものだ。

(加藤 浩明)

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日本アバイアメジャーアカウントセールス取締役事業部長。1995年日本AT&T(現アバイア)に入社。以後、一貫して大規模コンタクトセンターの営業に従事。現在はメジャー・アカウント(主要顧客)に向けてIPコンタクトセンターの導入をすすめる。
加藤浩明(Hiroaki Kato)
アバイア・インク、グローバル・サービス・オペレーション部門、ディマンド・ジェ ネレーション・ディレクタ。前職では大手商社にて通信事業者向け通信設備の輸入・ 販売・保守サポートなどに従事。日本アバイアに入社後日本における事業開発を担当 し、2007年2月から、米国本社に出向中。需要開拓のための中長期的な戦略策定に従事。
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日本アバイアシステムエンジニアリング部部長。世界的に最も注目されているユビキタスそしてVOIP技術。昨今ではIPテレフォニーそしてIPコンタクトセンターの2本柱でコスト削減や業務効率向上についての提案を実施。
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