PBXのIP化は時期尚早か? 3

December 22, 2006 05:47 PM
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PBXのIP化が時期尚早であるという議論に対する問題提起を行い、そのポイントを前回までに(番外編を除く)2点挙げたが、今回もさらに2点のポイントを挙げる。

(3) 一度投資してしまった設備を、寿命前に廃棄するのは大きな決断

日本はここしばらく好景気が続いている。新聞紙上でも企業の過去最高益を伝える記事をたびたび目にする。この数年間、投資を抑制していた企業も投資を再開した。この好景気下では、「たとえ旧式のシステムを導入しても、IP化のメリットがはっきりした時には、償却完了前であってもその時点でIP製品に入れ替えればよい」という使い捨ての発想も出るだろう。しかし、IP化のメリットが明らかになった時に、償却完了前の設備を廃却してシステムを更改することが許される環境にあるとは限らない。日銀のゼロ金利政策も終わり、すでに市場は沈静化の兆しを見せている。今後このまま日本経済は適度な成長を遂げながら発展することができるのか、それとも沈静化の兆しがさらにマイナス方向に拡大して、再び不況の時代を迎えるのか。現時点でははっきりと予測できない。はっきりしていることは、その時その時で経済的な余裕度は変動するということであろう。
先行してIP化を遂げた企業は、今後万一不況が襲っても、追加投資も最小限で業務の効率化を図ることができ、不況を乗り切るための体力維持を図ることができるのに対し、旧式を採用した企業は追加投資ができず、効率化が遅れるということになる心配はないのだろうか。

(4) これまでのIPテレフォニー導入メリットと言われてきたこととは異なるメリットが顕在化してきた

IPテレフォニーの導入メリットというと、これまで一番注目されていたのはTCO(Total Cost of Operation)の削減である。導入コストといわずにわざわざTCOと言っているのは、IP化のメリットは初期コストの削減に加え、導入後の運用コストの削減が大きいからであるが、その点でのメリットは確実にある。しかし、IP化を先行して進めた大手企業の間ではTCO以外の別のメリットが注目されている。それは、英語では「ビジネス・コンティニュイティ:Business Continuity(業務の継続性)」と呼ばれている。
昨今のテロの増加や政情不安、異常気象など、企業が安定的な活動を実施する上で気にすべきことが増加してきている。社員が平常通り会社に出社してデスクで仕事をすることができるという当たり前の環境が必ずしも常に得られるとは限らない。2001年9月11日にテレビを食い入るように見る私たちの目の前で世界貿易センタービルが崩れ落ちた光景は今なお鮮烈に瞼に焼き付いている。このビルには、リアルタイムな通信を最も必要とする金融系の大手企業が多数入居していた。この事件により米国金融業会は相当期間、業務を大幅に縮小せざるを得ない状況に陥った。これをきっかけに、これら金融業会を中心に、かかる非常事態にあってもなお平常時とほぼ同等の業務を継続することができる環境の構築に努めるようになり、そこにIPテレフォニーが大きく貢献している。世界の支店・事業所との業務連携のためのデータ共有を維持しながら、平時における中枢の情報処理基盤が麻痺しても、別の処理基盤が立ち上がり業務を継続できるようにするのだ。

(加藤 浩明)

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プロフィール
安藤靖(Yasushi Andou)
日本アバイアメジャーアカウントセールス取締役事業部長。1995年日本AT&T(現アバイア)に入社。以後、一貫して大規模コンタクトセンターの営業に従事。現在はメジャー・アカウント(主要顧客)に向けてIPコンタクトセンターの導入をすすめる。
加藤浩明(Hiroaki Kato)
アバイア・インク、グローバル・サービス・オペレーション部門、ディマンド・ジェ ネレーション・ディレクタ。前職では大手商社にて通信事業者向け通信設備の輸入・ 販売・保守サポートなどに従事。日本アバイアに入社後日本における事業開発を担当 し、2007年2月から、米国本社に出向中。需要開拓のための中長期的な戦略策定に従事。
高橋寿也(Toshiya Takahashi)
日本アバイアシステムエンジニアリング部部長。世界的に最も注目されているユビキタスそしてVOIP技術。昨今ではIPテレフォニーそしてIPコンタクトセンターの2本柱でコスト削減や業務効率向上についての提案を実施。
加瀬健(Takeshi Kase)
日本アバイア マーケティング部部長IT企業のマーケティングにかかわること約20年。アバイアではFIFAワールドカップのビックイベントを経験。現在はIPテレフォニーのマーケティングに力を注ぐ。
橋村信輝(Nobuteru Hashimura)
日本アバイアコミュニケーション・システムズ部門リージョナル プロダクトマネージャ。日本に於けるIPテレフォニーなど音声系製品のプロダクト責任者。外資系通信事業者でネットワーク設計やシステム選定に従事。TDMからIPへ製品が移行していく過程に深く関わる。
橋本健(Ken Hashimoto)
日本アバイアコミュニケーション・ソリューション&インテグレーションコンサルタントエンジニア。通信事業者で法人向け通信インフラ構築に関するプロジェクトマネージメントを経験後、アバイアへ入社。技術サポートを担当後、現在はコンタクトセンターのアプリケーションに関する導入とコンサルティングにあたる。
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