米国一般家庭のブロードバンド事情

October 11, 2007 10:06 PM
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今回の話はIPテレフォニーとは少し異なるがIPテレフォニーと関連のあるブロードバンド事情についての話だ。

こちらに赴任するまでは、米国、特に大都市以外の地域におけるブロードバンド事情は日本と比較して遅れているのだと思っていたが実際に当地に来て認識を新たにした。

私の居住している町は推定人口7,700人、内アジア系が推定200人程度、日本人家族は我が家を含め3家庭しかない小さな田舎町だ。米国内ではテレビ番組の配信はケーブルが主流であり、殆どの家屋にはケーブルテレビの設備が敷設済み。そこで、ブロードバンドはおそらくケーブルテレビの提供するものか、普通の電話回線が使えるADSLに限られるだろうと当初思っていた。ところが調べてみたところ旧ベル系地域電話会社のVerizon(ベライゾン)により光ファイバも導入可能である。つまり私のように田舎に住んでいてもブロードバンドといえば、FTTH、ADSL、ケーブルの3種類から選択が可能なのである。

そこで私は、こちらに引っ越してきた時に電話の申し込みと同時にFTTHを申し込んだ。FiOS(ファイオス)というサービス名称だ。FiOSのサービスは、使える帯域によって料金が3段階あるが、下り速度5Mbps、15Mbps、30Mbpsの3段階で100Mbpsのフルレートは無い。私は下り15Mbpsのサービスを選んだが料金は月49.99ドルなので日本より少し高い。ただし、工事設置費用も無料、ちょっと大きいが無線アクセスポイント付のルーター(写真)も無料で貸してくれるので、あわせてみるとどちらが安いのか良く分からない。


先述のとおり私はFTTHと電話を同時に申し込んだのだが、FTTHが光、電話は銅線で来るのだとばかり思っていた。ところが開通してから見てみたところ、頼んでもいないのに電話も宅内の終端装置ONT(Optical Network Terminal:写真)から光収容になっている。


光収容とは言っても、電話はATMプロトコルを使用しておりIPではない。自宅の車庫内の壁にはVerizonのロゴの入った箱が3つ並んでいる。1つは前述のONT、1つはONTに電源供給するACアダプタだ。そして最後の1つは非常用の電源装置(写真)である。12V、7.2AHのシール型鉛蓄電池が内蔵されている。


日本であれば、終端装置は停電用の電源が用意されていたとしても乾電池を入れると思う。ISDNのTAもそうであった。いつも感じていたのだが、乾電池は自然放電するのでうっかりしているといざという時に残容量が低下している可能性があり、非常用としては信頼性が低いし新品であっても容量も小さい。鉛蓄電池であればトリクル充電により常に充電状態であるので信頼性は高く、容量も大きい。また、残容量確認試験も容易である。Verizon社の公式資料にはこの電池により停電時にも4時間通話が可能とあるが、あるユーザーの実験によれば8〜10時間は電話が使用可能であるらしい。もちろん、バッテリ駆動中は電話だけに電源を供給し長時間の通話を確保するのでインターネットアクセスはできない。
これほど大きな容量の非常電源を各家庭に設置するきっかけとなったのは、おそらくこの国が日本と比較して停電が多いためだろう。しかし、頻度が低くても災害などで停電が発生する可能性があればバックアップ電源は必要であるし、頻度が低いとバックアップ電池のチェックも怠りがちになろうかと思う。最近の高性能な乾電池は残容量が低下してきても電圧はあまり低下せず、最後に一気に低下する性質があるため事前に残容量のチェックも難しい。アメリカでは停電が多いという環境がそうさせたのかも知れないが非常事態でも電話を使えるようにしようという努力と投資はアメリカに軍配が上がりそうだ。

(加藤 浩明)

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プロフィール
安藤靖(Yasushi Andou)
日本アバイアメジャーアカウントセールス取締役事業部長。1995年日本AT&T(現アバイア)に入社。以後、一貫して大規模コンタクトセンターの営業に従事。現在はメジャー・アカウント(主要顧客)に向けてIPコンタクトセンターの導入をすすめる。
加藤浩明(Hiroaki Kato)
アバイア・インク、グローバル・サービス・オペレーション部門、ディマンド・ジェ ネレーション・ディレクタ。前職では大手商社にて通信事業者向け通信設備の輸入・ 販売・保守サポートなどに従事。日本アバイアに入社後日本における事業開発を担当 し、2007年2月から、米国本社に出向中。需要開拓のための中長期的な戦略策定に従事。
高橋寿也(Toshiya Takahashi)
日本アバイアシステムエンジニアリング部部長。世界的に最も注目されているユビキタスそしてVOIP技術。昨今ではIPテレフォニーそしてIPコンタクトセンターの2本柱でコスト削減や業務効率向上についての提案を実施。
加瀬健(Takeshi Kase)
日本アバイア マーケティング部部長IT企業のマーケティングにかかわること約20年。アバイアではFIFAワールドカップのビックイベントを経験。現在はIPテレフォニーのマーケティングに力を注ぐ。
橋村信輝(Nobuteru Hashimura)
日本アバイアコミュニケーション・システムズ部門リージョナル プロダクトマネージャ。日本に於けるIPテレフォニーなど音声系製品のプロダクト責任者。外資系通信事業者でネットワーク設計やシステム選定に従事。TDMからIPへ製品が移行していく過程に深く関わる。
橋本健(Ken Hashimoto)
日本アバイアコミュニケーション・ソリューション&インテグレーションコンサルタントエンジニア。通信事業者で法人向け通信インフラ構築に関するプロジェクトマネージメントを経験後、アバイアへ入社。技術サポートを担当後、現在はコンタクトセンターのアプリケーションに関する導入とコンサルティングにあたる。
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