製品選定について

2005年11月11日 10:22
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皆さんは運用管理のための技術や製品を選ぶ際、何をポイントにして決めますか?

「お気に入りのベンダー」「使いやすさ」「価格」などなど、人によってさまざまなポイントがあると思います。

私が過去にメインフレーム製品、運用管理製品、サービスプロバイダ向け製品のプリセールスをしてきて思うのは、お客さまがポイントにするのはまずは事例だということです。日本のお客様からは「この製品はどの程度の導入実績があるの?」とよく聞かれます。その他のポイントとしてはサポート体制の充実、マニュアルの読みやすさ、日本語対応(外資系ベンダーのソフトに対して)、価格などでしょうか。

もう10年くらい前になるのですが、米国企業と日本企業でプリセールスをしていた知り合いからこんな話を聞きました。「日本の顧客は安定稼働に重きをおくから導入実績を気にする。他社で導入実績があるならば、自社で使っても安定稼働するだろうという考えだ。つまり『ビジネスを中断させないように』という意識を持っている。それに対して米国の顧客は最新のテクノロジーを使用して、『自分が(情報システム部のメンバー)責任を持っている環境がどれだけ便利になるか』を目的として導入する。他社への導入実績はあまり気にせず、先進性を求めている。つまりビジネスを早いスピードで拡大させようという意識を持っている」とのこと。

どちらの国の考えにもメリット・デメリットがあると思います。日本の考えですと、既存ビジネスをしっかりと推進して現在の収益を維持する。そして他社の導入実績・事例を参考にして、確実にビジネスを拡大していく。米国の考えですと企業競争力とスピードに重点を置き、他社が実施していないことを取り入れて企業競争力を拡大し、一気にビジネスを拡大していく。
確実性を求める日本、迅速性を求める米国。やはり国によっていろいろ文化や考え方が違うな、と実感しました。

ITILとは違う話題ではじまってしまいましたが、今回のブログはITIL関連製品の選び方について書いてみようかなと思います。

今更ながら、製品選定が重要な理由を考えてみました。ITILの実装に関してよく言われるのが3つのP(People:人・組織、Process:プロセス、Product:製品・技術)のバランスを保つことです。PeopleについてはCAでも実施していますITIL教育コースなどの受講を通じてITIL適用の基本的な知識を身につけることができます。Processについても長年培ってきた皆様の経験や、ITILの書籍を参照したりすることで初期の導入部分はカバーできます。また、中長期の場合には経験豊富なコンサル企業に依頼してプロセス設計をしてもらうことができます。しかし、製品選定に関してはどうでしょうか?ITILの書籍には、どのような製品を選ぶべきかなどの情報の詳細はほとんど記述されていません。このような状況の中、ITIL実装に不可欠な製品選定についてはどうすればいいのでしょうか?そこで今回のブログが皆様の製品選定のヒントになればと思っています。

冒頭にも書きましたが、多数のお客様が製品選定をする際にポイントとしてあげるのが「導入実績」「サポート体制」「マニュアル」「日本語対応」と思われます。もちろんこれらも大事ですが、ITIL関連の製品を選定する場合はちょっと視点を変えてみませんか?

私が考えるITIL関連製品のポイントは「製品同士のシームレスな連携」です。苦労して構築したITプロセスやビジネスプロセスが独立し、単体で動いてしまっていては、ビジネスニーズにマッチしたITサービスを提供することはできません。プロセスの連携だけでなく、製品の連携も同様です。ITILで謳われているサービスマネジメントのプロセスが勝手に独立して動いていたらどうなってしまうのでしょうか?構成管理プロセスが独立して機能している場合、問題管理プロセスや変更管理プロセス、リリース管理プロセスなどで共通して使用すべき資産情報が、統一できなくなってしまいます。これではITIL実装は成功しないですよね。

プロセスが連携しないと意味がないのと同様に、製品も連携が必須となってきます。サービスデスク製品・構成管理製品・ソフトウェア配布製品・変更管理製品などがシームレスな連携をすることによって、ITILプロセスが円滑に機能して、理想的なIT環境構築の手助けをします。さらに、製品が連携しプロセスが連携することによって、継続的改善が容易になります。

さてもう1つ、ITIL関連製品を選定するヒントになるものが「PinkVerify認定」です。PinkVerifyとは、北米を中心にITILのコンサルティングやトレーニングを展開する企業であるPinkElephantが、ITILに対して高い互換性を持つ製品、ITILのベストプラクティスを忠実に実装できる製品だと判断した際に与えられる認定です。我々CAでは2種類の製品でPinkVerifyを取得しています。なぜPinkVerifyを取得している製品を選択すべきなのでしょうか? 答えは「独自の設計思想ではない、ベストプラクティスを取り入れているから」なのです。

サービスデスク、インシデント管理、問題管理、変更管理(変更リクエスト・プロセス)、構成管理(校正関係定義・ドキュメント)を担う製品であるUnicenter ServicePlus Service Deskと、変更管理を担うAllFusion Harvest Change ManagerがPinkVerifyによって認定されています。サービスデスクはITILサービスマネジメントの中でもさまざまな管理プロセスと関係する、キーとなる機能の1つです。現在では多数のお客様の環境に導入されています。そしてCAの変更管理製品は、ITILに特化したテンプレートを用意しています。

今回はかなり私の主観で書いてしまいましたが、皆様はどのように考えますか?もしかしたら、私が考えた製品選定案に共感してくださる方もいらっしゃるかもしれませんし、または「おいおい、それは違うよ〜」というご意見を持っている方もいらっしゃると思います。

いつの日か、皆様とディスカッションできる機会をもてたらいいなと思っています。
ありがとうございました。

榎本 浩

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前田隆(Takashi Maeda)
日本CA 研修サービス部 マスターインストラクタ。 ITIL Foundation資格取得者を1500名以上を教え、プラクティショナコースおよびマネージャコースの講師も担当。
木村泰介 (Taisuke Kimura)
日本CA マーケティング部にて、運用管理製品やITIL関連ソリューションの販売推進を担当。製品やソリューションのセミナー、営業資料の企画などを行う。
榎本浩(Hiroshi Enomoto)
日本CA マーケティング部 CA入社当時はメインフレームのプリセールス・導入作業・サポート業務などを担当。その後、オープン系のプリセールスを経て、現在のマーケティング業務に就く。
芝村龍太(Ryota Shibamura)
日本CA ソリューションコンサルティング部 シニアコンサルタント。 セキュリティ、システムマネジメント分野を主としたソリューション企画、提案、コンサルティングを担当。現在は主にITIL関連ソリューションの提案、実装コンサルティングを行う。
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