オージス総研に聞く。「お客様のIT運用における課題とITILの今」 (2)

2007年11月12日 11:08
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お客様に対するアセスメントやコンサルティング、CA製品の導入に携わっている、CAパートナー企業の皆様に「お客様のIT運用における課題とITILの今」を伺うインタビュー企画、今回もお話を頂くのはオージス総研様の運用・基盤ソリューション提供部門の部長、大熊 康太郎氏と、同部門にて現場でのコンサルティング業務に携わっていらっしゃいます前田 信明氏です。
前回掲載分では、オージス様でITILを取り入れることになった経緯や、お客様先でのITILの取り組みの傾向などをお話いただきました。今回は、その続きのお話です。
前回分はこちら >>>

■ インシデント管理からは、他プロセスへ。構成管理は、更なる正確さや効率の追求
これまでのITILコンサルティングや改善実施を行ったお客様の多くが「インシデント管理」と「構成管理」の2つのテーマに取り組まれたということでしたが、それぞれのお客様で、その後の展開に違いの様なものはあるのでしょうか?

前田氏はこうおっしゃいます。
「インシデント管理に着手されるお客様は、すべからく構成管理などの他プロセスにも着手される傾向にあります。最もエンドユーザに見えやすい”フロント業務の改善”をテーマにしようとすると、構成情報が正確でないと障害箇所や影響範囲が特定できない、といった具合に関連する様々なプロセスに改善の必要性が派生していきます。新しい課題が見えやすくなる、ともいえると思います。 逆にまず構成管理から着手されるお客様は、よりタイムリーに、よりシステマティックに構成情報を更新するといった具合に、他プロセスに進むというよりも、構成管理自体の成熟度を向上させることに取り組まれる傾向にあります。その為にインベントリーの自動収集や配布ツールなどを順次導入されていく、またそれらの情報をIT資産管理に活かす、といったことに進まれる様です。」

こうした傾向から、オージスでは”ITILをどこから導入すべきか”というテーマの場合、最終的にはお客様に判断して頂くものの、インシデント管理、特に”インシデントを記録として保存する”ことへの取り組みを提案することが多いそうです。
その記録が、例えばレスポンスタイム改善のために、障害箇所の特定時間短縮→その為に正確な構成情報を取得する仕組みが必要、といった具合に、サービスレベルを向上させるための”次の課題”を可視化させる為の良い分析材料になります。
インシデントが記録として保存されていない場合、ユーザへの対応も個人の記憶の中に閉じてしまい、ステータスやナレッジが共有されない為、組織全体として、なかなか運用のステップアップに繋がって行きません。


■ インシデントの”記録”からつながる、様々な改善
インシデント記録による情報共有が定着すると、フロントでのユーザ対応だけでなく、思わぬところで効果があるとの事です。前田氏から興味深い話を伺いました。

「CAのサービスデスクツールを使ってインシデント管理に取り組まれているお客様に、その後の様子を伺いに行くと、サービスデスクを一番使っているのは”管理職の方”であると言われる事があります。インパクトが大きそうなインシデントが無いかの定期的なチェック、障害時のステータス確認などは、これまでメンバーに逐一聞いていたのですが画面から確認する様になり、現場の側からは、上司からしつこく聞かれなくなって仕事がしやすくなったと言われます。」

管理職であっても障害があれば気にはなる、ただいちいち現場スタッフに聞くのも気が引ける。逆に現場からすれば、聞かれれば何らか答えざるを得ない、あまり頻繁であれば正直うっとうしい。そうした無用なストレスを現場から無くす効果があるのではと感じています。
私にも身に覚えがありますが、リーダ、課長、部長と代わる代わる「あの件どうなってる?」と聞かれれば、「今、頑張って対応中です。」という風に即答したくなる気持ちになりますが、インシデント記録を介してより正確なステータスの状況など、情報の共有がスムーズに出来るという効果を実感した事があります。


■ インシデントの記録が、現場のモチベーションアップや評価の材料にも
実際インシデントの記録をつけることは、はじめは作業のオーバーヘッドがかかりますが、継続的に記録を続けていくことで、人事上の評価の材料としても有効である、と大熊氏はおっしゃっています。

「インシデントの記録は、現場担当者がしっかり業務に従事していることの証明、またナレッジの蓄積によって部門全体に対して貢献していることの証明にもなりますので、これを評価項目として現場のモチベーションアップにも是非つなげていって欲しいですね。逆の観点でみると、”いそがしい、いそがしい”と現場はよく言うわけですが、この証明がなかなか難しい。こちらもインシデントの記録に基づくことで作業量、現場の負荷などの数値化された情報に基づいて体制の見直しなどを図ることも可能になります。ツールとしては、CAのサービスデスク一つですが、改善したプロセスをしっかり定着させることで、人事上の評価から現場の雰囲気まで、様々な改善に発展させられる可能性があります。」

■ お客様とITIL、そしてオージス様の将来展望について
最後に、こうした様々なお客様とのITIL成功体験をお持ちのオージスに、これからお客様にはどういった課題が待っているのか、オージスはどの様な取り組みを進めていくのかを伺いました。

「ITの運用、そしてより高度なプロセスに対して、ITILをはじめとするベストプラクティスやオージス独自のナレッジ・ノウハウを織り交ぜながら、常により良い改善のご提案をしていくということは、これからも変わることはありません。また、具体的に監視や運用の対象となるシステム側もテクノロジーの進化によりこの先も著しく変化していくと思いますが、そういった変化に対応した改善をしながら、サービスを提供していきます。運用プロセスの、より現場に近い観点では、これまでCAのサービスデスクツール活用などによるインシデント管理によって、記録と改善のベースを整備されたお客様に対しては、サービスのカタログ化に取り組まれることをおすすめしています。例えばサービスデスクが対応している問合せ業務、運用業務のインシデントを分析する事で、実際に提供しているサービスを洗い出し、可視化します。この情報を元にIT部門としての現在の業務の明確化とこれからの業務改善に役立てようというご提案です。また、構成管理に取り組まれ、サーバの状況監視や運用保守業務の改善に成功されたお客様には、それらの情報をさらに活用してIT資産管理やIT財務管理といった面でより効率化が図れるのではないか、といったことをご提案しています。構成管理で整備した情報を元に、ソフトウェアやハードウェアの追加、また保守契約やリース契約等の厳密な管理をすることが可能になるので、より根本的なコスト効率の改善に取り組むことができるのでは、といったご提案です。」

今回のインタビューでは、インシデントの記録という一つの行動を徹底し、またその記録を十分に活用させることで多くの改善が行えることが、改めて確認できました。私たちCAも、オージスをはじめとするパートナーとともに、お客様のIT運用改善、その改善からもたらされる職場のもっと大きな仕組みや雰囲気までも改善する可能性を秘めたITILを、もっと皆様に活用してもらうべく、様々な取り組みをして参ります。

さて、ここでオージスとCAからお知らせです。
来る12月7日(金)に、CA主催/オージス協賛にて、セミナーを開催いたします。
今回のblogでも少し触れましたが、資産管理までを含む、一歩先を行く構成管理とその実現を支援するテクノロジーということで、オージスが実際に提案をした資産管理取り組みの事例やCAの最新ソリューションをご紹介するセミナーです。
セミナー詳細は、こちら>>

その他、CA ITIL 2007と題して様々な角度からITILの効果と実践方法をご紹介するセミナーを実施します。是非CAのWebサイトを是非ご覧ください。

木村泰介

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プロフィール
前田隆(Takashi Maeda)
日本CA 研修サービス部 マスターインストラクタ。 ITIL Foundation資格取得者を1500名以上を教え、プラクティショナコースおよびマネージャコースの講師も担当。
木村泰介 (Taisuke Kimura)
日本CA マーケティング部にて、運用管理製品やITIL関連ソリューションの販売推進を担当。製品やソリューションのセミナー、営業資料の企画などを行う。
榎本浩(Hiroshi Enomoto)
日本CA マーケティング部 CA入社当時はメインフレームのプリセールス・導入作業・サポート業務などを担当。その後、オープン系のプリセールスを経て、現在のマーケティング業務に就く。
芝村龍太(Ryota Shibamura)
日本CA ソリューションコンサルティング部 シニアコンサルタント。 セキュリティ、システムマネジメント分野を主としたソリューション企画、提案、コンサルティングを担当。現在は主にITIL関連ソリューションの提案、実装コンサルティングを行う。
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