長い残暑が終わってようやく秋が始まったところですが、一部のメーカーや小売りに携わる人たちの焦点は、もうすでに年末商戦やクリスマス商戦に移っていると思います。
自分が子供の頃のプレゼントと言えば、野球のグローブや少し高級なプラモデル、あるいはラジカセなんかが定番でしたが、今の中心はなんと言ってもゲーム機。なかでも、ニンテンドーのDS.liteと同じくニンテンドーのWiiの人気は、いまだに衰えていないっていうじゃないですか。
このふたつのゲーム機は、とりたてて高精細なグラフィック機能を備えているわけでも、高性能なプロセッサを搭載しているわけでもないのに、人気がある。しかも子供だけじゃなくて大人も楽しんでいる。機能や性能じゃなくて、もっともっと「遊びの本質」を追求して生まれた製品のように感じます。
僕は技術屋なので、ついつい機能や性能を上げる方向に目がいきがちです。それに機能や性能の追求は、技術サイドからだけではなく、マーケティングサイドや営業サイドからも言われます。A社の製品と比較するとうちのはアノ機能が足りません、B社の製品と比較するとコノ機能が劣っています、だから次の製品には、アレとコレとソレを入れてくれないと売れません...という具合に要求がどんどんとエスカレートしていきます。
そういうところには価値を求めずに、遊びの原点に立ち返って製品を発想した(ように少なくとも外からは見える)ニンテンドーのゲーム機は、これって結構すごいじゃん、って思ってしまうわけです。AppleのiPodもそうなんだけど、製品の持つコンセプトがとても強いんですよね。
さて、うちの会社はINSUITE(インスイート)という企業情報ポータルやグループウェア製品を開発・販売しています。なのでどうしても、世間一般に「企業情報ポータル」や「グループウェア」に分類される他社製品と比較されます。
ソフトウェアに限らず製品の比較によく使われるのが「○×」法。機能を縦に並べ、製品を横に並べ、機能のあるなしや性能の優劣によって○と×を付けていって、○の多いほうを優れているとするやり方。
○×は確かに分かりやすいといえば分かりやすく、一見すると説得力があるように見えるのだけれど、本当にそんな単純に比較ができるものなのかが難しいところ。この方法だと、デジカメは画素数が多いほど良くて、クルマは馬力が大きいほど良いってことになってしまう。
ところが買う側にとっては、カメラの「質感」だったり、クルマを「持つ喜び」のような、どうやったって数値には表せないことのほうが大事だったりするわけです。ソフトウェアでも、使い易さや便利さはもちろん、ちょっとした楽しさといった要素がないと、なかなか継続して使ってもらえません。
先日もあるお客様との案件で、大手ベンダー製品との○×比較ではなく、うちを選択してくれたことがあります。あとで話を伺ってみると、相手の製品は機能は豊富なんだけれども技術者指向が強すぎる。かたや、うちの製品は、社員にとって使いやすそうだし、ほんとうに役立つ機能が入っていると判断した、とのこと。
こういう○×では伝えきれないことをどうやって伝えるか、ってのは、もちろんいろんな企業や広告会社が悩んでいるわけですが、特効薬のない世界。それぞれのお客様に添ったストーリーを作って「共感」を得るように努める、ってのが、ひとつの王道かもしれません。
ということで、ちょっと早いんだけど、クリスマスのプレゼントは何にしましょうかね。新しいiPodとか喜ばれるかな。
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