ビジネス・コックピットはポータルにあらず

February 25, 2008 5:03 PM
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 日本時間の2月1日に流れた「マイクロソフトがヤフーに買収を提案」というニュースには、ぶち、たまげてもうたわぁー(おっと、つい広島弁が)。その提案額は446億ドルで、今の日本円で実に4兆7000億円ほど。ちょっと調べてみたら、自分が生まれ育った広島県の年間予算がおよそ9,700億円(平成19年度)なんで、広島県が5つも買えちゃうことになる。もう、どひゃー、ってな感じです。

 この争いにグーグルだって黙っちゃいない。マイクロソフトの買収を阻止しようと、ヤフーと提携を図る予定があるとも報道されていて、まさに三つ巴(みつどもえ)の様相です。その後ヤフーは買収を受け入れないことを表明して、先行きは混沌という感じ。もっとも、何が起こるか分からないのがこの業界。ミニコンの覇者だったDECはコンパックに買収され、そのコンパックもHPに買収されてしまった事実もあるくらいなんで、あとはもう状況を見守っていくしかありませんね。

 さて、ヤフーの貢献のひとつに「ポータル」という概念を普及させたことが挙げられるでしょう。ポータルはもともと「立派な建物の入り口」といった意味の英単語ですが、ヤフーは検索ウィンドウのほか、ニュース、天気予報、乗り換え、地図、株価といった日常的に必要な情報や機能をトップページにまとめて提供した。そしたら、それが結構便利だっていうことで多くの人に支持され、いつしかポータルサイトと呼ばれるようになっていきました。

 アクセスが増えることで、ポータル画面の価値が高くなった結果、空いたスペースを使ったインターネット広告という市場も次第に形成されたというわけです。

 ポータルは「入り口」を意味しますが、それじゃポータルだけにアクセスすればすべての情報にたどり着けるかというと、そういうわけでもない。

 そのポータルサービスが提供していない情報には到達できないし、メールやブログ/掲示板などが統合されているわけではないので、結局はいろんなウェブサイトを巡回し、メールソフトやRSSリーダーを併用しつつ、さらに企業であればスケジューラや会議室の予約システムなんかも使いこなさければならない。

 言ってみれば、今のパソコンの利用モデルってのは、玄関口のほかに、実際には勝手口や非常口や通用口なんかがあちらこちらに散らばっているイメージで考えれば、きっと当たらずとも遠からずじゃないかなと思う。

 プライベートで使う分には、まずはこっちの非常口、次はあっちの通用口、と使い分ければいいんだども、仕事で使うときは、そがいな面倒なこと、しちゃーおれん、ていうのが正直なところでしょう。また、安全面にも問題がありそうです。もうちょっとうまく操作できるようになっていて欲しいとは誰しもが考えることで、そういうニーズから、グループウェア機能などを統合した「企業ポータル」という考え方が生まれてきたわけなんですね。玄関口と勝手口と通用口くらいは一緒にしておきましょうってね。

 だけど、ビジネスで必要な機能を単に「オール・イン・ワン」的に画面に押し込んだけでは、結局のところ起動するソフトを減らせるくらいの効果しかありません。しかも、一つに押し込んだことで、ただでさえ多い情報がさらに溢れかえり、洪水状態となっているケースが少なくありません。ということで、僕たちは、企業ポータルにもう少し踏み込んで「ビジネス・コックピット」という概念を提唱しています。

 お客様から「コックピット」ってなんじゃ、といったご質問をいただくことがよくあるのですが、最善の方法で目的地に到達するために、氾濫している「情報とコミュニケーションの洪水」を治水し、各個人に最適化され、必要な情報をリアルタイムで取り出すことのできる状態を指します。

 コックピット化によるもう一つの大きな目的は、「PCに拘束される時間を最小化し、熟考する時間や、直接対話の時間を増やす」ことです。つまり、雑務などの処理は得意なPCに任せて、人は本来取り組むべき、創造的な作業に時間を費やそうよっていう考え方です。ポータルちっくな「オール・イン・ワン」画面を提供することがコックピットの本来の役割じゃないんですね。

 で、創造的な作業をするためには「アナログな時間の質」を高めていかねば、という話に続くのですが、ちょっと長くなりそうなんで、また次回に!



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前川@ドリーム・アーツ

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前川賢治(Kenji Maekawa)
株式会社ドリーム・アーツ最高技術責任者(CTO)。大型汎用コンピュータ向け ソフトウェア製品の輸入商社である株式会社アシストにおいて、製品開発を担当。 1996年にドリーム・アーツ設立に参画。
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