愛社精神ならぬ愛製品精神はどう?

July 11, 2008 12:06 PM
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 年功序列制度の矛盾点を突いた「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(城 繁幸著/光文社新書)という本がベストセラーになっていて、読んだ方もそれなりにいると思います。あらためて指摘されるまでもなく、最近の若者の離職率の高さは、ひとつの企業だけではなくて、業界全体にも、さらには日本社会にも影を落としていて、人材の流動性を前提とした経営にシフトしなければならなくなってきました。

 転職って最初はハードルがとても高いんだけど、一度してしまうと次からはハードルがぐんと低くなる気がする。そのせいか、いわゆるジョブ・ホッピング(転職の繰り返し)をする人も多いんだとか。ただ、明確なキャリア志向がある場合はともかく、コロコロと職場を変えるのは、その人も会社も幸せにならない可能性が高いと思うけどね。

 おじさん的小言かもしれないけど、「石の上にも三年」という諺があるように、ひとつの会社にある程度の期間は頑張って在職しておかないと、いろんなことが見えてこないし技術スキルも身に付かない。

 とはいえ、やらされ仕事だと、なかなか会社に対する愛着(いわゆる「愛社精神」)が沸いてこないのも事実。 逆に自分が積極的に参画した仕事だと、関わった製品やサービスに絶対愛着が沸いてくるもの。

 昔みたいにノミュニケーションとか社内旅行によって愛社精神を育むなんてのは今更無理かもしれないけど、「愛製品精神」や「愛サービス精神」を高めるのだったら、それほど難しくはなさそう。

 企画段階から議論に参加してもらって、要望や指摘が適切ならどんどん取り入れていく。そうすると、「この製品のこの機能(あるいはメニュー)って、自分の提案がきっかけで入れてもらったんだ」という事実が出来上がってくる。開発エンジニアだけじゃなくて、営業マンや社内ユーザーである管理部門スタッフの声も取り込むような機会を作れば、全員にとっての「オレの製品・ワタシの製品」になるはず。

 そういうマインドが醸成されてくれば、当然、その会社でしばらくは頑張ってみよう、っていうことになるわね。離職する人が少しでも減ればお互いにハッピー。

 それに、たとえば営業マンがお客さんのところでデモをしたときに、「実はこの機能は私が社内で提案して入れてもらったものなんです」という一言って、その営業マンの自信であったり製品に対する愛着を感じさせるという意味でも、結構強いと思うんだよね。

 まずは製品に惚れ込めるほど仕事に打ち込んでいるかどうかを考えてみるといいと思うし、経営陣やマネージャは、無理に愛社精神をどうのこうのというんじゃなくて、メンバーが自社の製品やサービスを好きになれるような仕組みを工夫してみるといいんじゃないかなと思うわけであります。


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前川@ドリーム・アーツ

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プロフィール
前川賢治(Kenji Maekawa)
株式会社ドリーム・アーツ最高技術責任者(CTO)。大型汎用コンピュータ向け ソフトウェア製品の輸入商社である株式会社アシストにおいて、製品開発を担当。 1996年にドリーム・アーツ設立に参画。
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