SANという名の神話

July 12, 2007 07:16 PM
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ファイバチャネル接続によるSANは、それなりの機種を導入した場合、パフォーマンス、可用性を確保しつつ、安定したストレージ環境を構築することが可能です。DBサーバーを中心に、数多く導入実績もあります。

但し、DIY的に言えば、SANは非常に分かりにくいBlack Boxでもあります。
なぜか?  それはやはり「メーカーに依存する部分が多すぎること」に起因します。

一般的なソフトウェアのインストール作業費などに比べ、SANの導入費の見積もりは非常に高く見えるのではないでしょうか?

SANストレージは、製品、管理ツールともに「業界標準」が存在せず、メーカー毎に完全にオリジナルなものとして今も提供され続けています。メーカー間の互換性もほぼないといって良いでしょう。

従って、ゾーニングや各種設計、インストール、設定などを含んだSAN導入費はメーカー毎の独自の基準で算出されることになります。勿論、きちんとしたトレーニングを受けていないと顧客自身で導入することは極めて難しく、例えセルフで構築できたとしても、何かの障害時に環境や設定情報などをメーカーのテクニカル・サポートに伝えることは困難です。

また、ファームウェアやストレージOSのアップグレード、パッチメンテナンス作業などもユーザー側で対応できる可能性は低いです。

こうして自ずとシステムベンダーの導入サービスを発注することになります。

重ねて書きますが、SANはITインフラにおいて、非常に重要なコンポーネントです。
全く否定するものではありません。

但し、どんなシステムについてもSANが必要というのは違うと思います。
シンプルなSAS(どんどん良くなってきています)やNASがありますし、また昨今急成長しているiSCSIという選択肢もあります。

SANは、(ブレードサーバーと同様、)一旦導入すると他のベンダーが入れない「神聖な場所」として当面の間、鎮座し続ける強力なインフラでもあります。ですので、システムベンダーは、(勿論例外もありますが)SANを極めて積極的に提案するわけです。

「SANじゃないと、可用性とパフォーマンスの面で問題がありますよ」

「他のユーザーでもSAN構成で導入していますよ」

いろいろな甘い言葉を投げかけてくることでしょう。
予算に壁があれば、思い切ったディスカウントを提示してくる場合もあることでしょう。

でも、今一度自問自答してみてください。
"本当にこのシステムにSANが必要なのだろうか?"

DIYか、システムベンダーに依存するかの分かれ道になります。

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プロフィール
布谷恒和(Tsunekazu Nunotani)
デル アライアンス&ソリューションズ部マネージャー。国内大手システム・ベンダーでのプリセールスSE、外資系ハードウェア・ベンダーでのマーケティング職を経て、2002年にデル(当時、デルコンピュータ)に入社。企業向けのソリューション・マーケティングとアライアンスを担当。各種ソリューションの企画・開発、営業支援、セミナーでの講演など幅広く従事。顧客向け機関誌「Dell Insight 日本語版」編集長も兼務。特にx86仮想化技術を専門分野とする。
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