どんなものでもよいが、何らかの事業を営んでいる場合、そこには必ず要求を満たすべき対象である「公衆」の存在がある。そしてその公衆はそれぞれ、独自の需要を抱えている。
まずはもちろん顧客がいて、さらに株主がいる。政府の規制当局に報道機関、会社の従業員や一般大衆も忘れてはならない。
企業はこうした公の存在と、おのおの異なる態度で接する。ジャーナリストの多くは、広報活動とは対象者に酒をおごることだと考えているようだが、PRはそんな単純なものではない。わたしなどにはとうてい不可能な、難しい行為なのである。
そこで今日は、オープンソースを取り扱う者は、いったいどのような公衆を満足させればよいのかという問題を提起してみたい。
ここ数週間の間、幾人かのオープンソース管理者と話す機会があったので、それを参考にしてみよう。
- オープンソースのユーザーは、単なる顧客ではない。技術などの提供者であり、協力者でもあるのだ。したがって、彼らには商業における顧客よりも重きが置かれるべきであり、接し方も異なる。
- 従業員は分類しておく必要がある。特に、オープンソース環境の中の開発者は、ちょうどレコード会社にとってのミュージシャンのようなものだ。商業の世界では、こうした人々をすげ替えるのは実に簡単だが、オープンソースの場合、スターを失ってしまったらバンドは解散するしかない。
- オープンソース事業における政府は、一般的な政府とはかなり異なる存在だ。標準化団体こそがオープンソース界を司っており、本物の政府より重視されていることもある。
- 報道機関は非常に多様である。プレスという立場でオープンソースに関わっている人々は、実際はその動きをブログに執筆している開発者であったりするのだ。彼らに対しては、地元紙の記者などとはまったく異なる対応をしなければならない。
ビジネスマネージャとしてではなくオープンソースマネージャとして成功を収めるには、従来とは異なる思考を心がけ、新たなトレーニングを積む必要があるとわたしは考えている。また、これまで見聞きしてきた経験から言うならば、オープンソースの世界では、いかなる商業分野よりも平衡感覚と実践的な心理学が求められる。
ということはだ、思うに今日のマネージャ養成学校の大半は、見当違いの知識を生徒に教え込んでいることになる。わたしと同様、読者の皆さんも驚いているだろう。だが昔からマネジメントというものは科学というよりは芸術で、わたしにしてみると、オープンソースで成功を収めるには、ビジネスマンよりはアーティストであるほうがよいと思われるのである。
(Dana Blankenhorn)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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