大半の米国技術市場はオープンソースによって開かれた存在になりつつあるが、ある市場だけは健全な競争が成立しなくなってしまった。
ある市場とは。インターネットアクセスに関する市場だ。
インターネットアクセスは、何の規制もない、政府によって支配された複占状態に陥っている。現在アメリカでは、(64kbps以上の)「ホンモノの」インターネットサービスを利用したいと思った場合、地元のBell系列企業か地元のケーブルテレビ事業社のサービスのどちらかを選ぶしかない。
こんな選択肢しかないというのは、完全に間違っている。さらに悪いことに、Bruce Kushnickの最新著書「$200 Billion Broadband Scandal」によれば、そうした選択をするときでさえ、ユーザーは自分が稼いだ金を不当に“ぼったくられている”という。
わたしは最近、Bruceの著書刊行を待望する人々が参加する、許可制のメーリングリストに加わることを許された。このメーリングリストは、テレコム業界の有名人や尊敬を集める大物、高名な批評家らも購読している。彼らは、Bellが、倒産の危機に瀕したとしても、その締め付け方針を撤回すれば、インターネットアクセスはより安定し公平なものになり、しかも安く速くなるだろうと主張している。
インターネットアクセスのいわゆるラストワンマイル部分は、ムーアの法則によってコストが下落し続けている。しかしBellの系列企業は、政府の統制に乗じて巨利をむさぼり続け、公約を果たさないまま事業を営んでいる。さらに今日に至っては、料金を支払わなければ配信を行わないと宣言して、コンテンツプロバイダーから金を搾り取ろうとしている。
こんな状態になってしまっては、もう手遅れかもしれない。
わたしは、今回暴露されたスキャンダルは、次のような類事実に要約することができると考えている。
アメリカのブロードバンド普及率は、ここ数年の間に、世界の19位にまで落ちてしまった。これも間もなく、スロベニアに追い越される見込みである。なんとスロベニアに負けるとは! 旧ユーゴスラビア共和国の一部だったスロベニアは、1990年代に内戦によって崩壊した国だ。だが今ではそのスロベニアが、現代における最重要リソースと言われるインターネットアクセスの普及率で、われわれをしのごうとしているのである。
インターネットは、権利とまでは言えないものの、道路や水や電気のように必要不可欠な存在になり始めている。だが本来インターネットアクセスは、そうした必需品とは異なり、われわれが市場の現行のプロプライエタリな構造を打ち壊してオープンソースモデルを取り入れるだけで、格段の進化を遂げられる素地を持っているのである。
Bellに対しては、同社の保有する容量を再び卸売りするよう求めるべきだ。無線インターネットサービスプロバイダーが、電話柱を利用できるようにするべきだ。反トラスト法を厳密に試行すべきだ。力の弱いものが大きなチャンスを得ると、力の強いものが得られるチャンスは小さくなるが、オープンソースはそうやって市場を拡大させていくものなのである。
(Dana Blankenhorn)
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