Red HatがJBossを買収したというニュースには、正直言って驚いた。
報道では、契約金のうち1億4000万ドルが現金で、2億1000万ドルがRed Hatの株式で支払われるという。また、JBossが一定の業績を達成した場合には、さらに7000万ドル相当の現金および株式が上乗せされるそうだ。
同契約では、JBossの創立者であるMarc Fleury氏が同社を率いる立場に留まることが決まったが、これはIBMとの距離が縮まることをも意味している。これはFleury氏にとって「最高の状態」なのだろうか。同氏は今や、昨夏わたしと一緒に訪れたステーキハウスを買えるほどの金持ちだが、ほかのビジネス契約とは異なり、合併はそう簡単に消化できるような代物ではない。
Red Hatにとって今回の買収は、日用品的なLinux製品からサービス指向アーキテクチャ(SOA)へ歩を進めていくための大きな足がかりになる。SOA分野においては、JBossのJavaベースミドルウェアが重要な要素となっているからだ。JBossは、すぐにでも株式公開できるまでの企業に成長している。
わたしは、合併後もFleury氏は一定の自治権を獲得すると思う。同氏が進めてきたビジネスモデルは、「スター」的なプログラマに大きな責任を持たせて重用するというもので、Red Hatの方針とは明らかに異なる。ForresterはRed Hatが次に狙うのはデータベース企業(MySQLか?)だと見ており、買収のニュースが報じられたあとには、Red Hatの株価が9%も跳ね上がった(JBossも理論上は1900万ドルの利益を得たことになるが、譲渡された全株式には、一定期間の売却を制限するロックアップ条項が適用されている)。
個人的には、Red Hatの計画がおじゃんになるか、Fleury氏の方がRed Hatを「喰う」ことになるのではないかと予測している。JBossのスター級プログラマを失うことはすなわち同社を失うことを意味し、Fleury氏はこうした事情をフル活用して、Red Hatから最大限の援助を引き出すことができるのだ。その気になれば、Fleury氏は職務を全うするのに十分すぎるほどのリソースや予算を確保できるだろう。そもそも、同氏は同じことを以前にもやっている。
同様に、Red Hatの命運もFleury氏とその部下をどうやって扱うかということにかかっている。彼らとうまくやっていくのは非常に難しいかもしれないが、同社に多くの新しい観点をもたらしてくれる可能性はある。だが同時に、Red Hatを滅ぼしかねない存在でもあるのだ。
そういう意味では、合併とは結婚とよく似ている。
(Dana Blankenhorn)
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