憧れの対象から身近な存在へ――ビジネスインテリジェンス

August 15, 2006 06:15 PM
トラックバック (0)  

 ビジネスインテリジェンス(BI)がなかなかメジャーにならない理由の1つは、そのコストの高さにある。

 企業データベースからカスタムレポートを作成するツールの利用について教えるビジネススクールは、非常に少ない。そうしたツールはとても高価で、卒業生が就職する企業にこれを購入する余裕があるかどうか、学校側にはわからないからだ。

 JasperSoftがこういった風潮を変えようとしている。同社は米国時間8月14日、「LinuxWorld」で「JasperServer Professional」を披露し、完成したばかりのBI製品ラインを発表した。同製品の発表前に、JasperSoftの最高技術責任者であるBarry Klawans氏と、マーケティング担当副社長のNick Halsey氏に話を聞くことができた。

 両氏によれば、新製品ラインは「1サーバごとにライセンス料金を課すタイプの商用製品で、ソースコードは公開される」とのことだ。また、簡単に利用できるように、「アドホックレポーティングやアドホッククエリ、ドリルスルーチャートといったエンドユーザー向け機能が搭載されている」という。

 Halsey氏は、同製品の登場によって市場の現状は変わると述べている。「プロのアナリストが使用するような、データウェアハウス上のアプリケーションとしてのBIではなく、個人向けのアプリケーションに組み込まれるBIがトレンドになりつつある。ユーザーは単なるレポートを作成していると思っていても、実はBIが動いているという状態が当たり前になるだろう」(Halsey氏)

 同氏は何も風呂敷を広げているわけではない。Klawans氏も、「当社の製品のダウンロード数は、100万件を超えている。先月だけでも10万回のダウンロードがあった。また、当社に料金を支払って製品を使用しているユーザー数は4000人を上回っている。全体で150億ドル規模と推測されるBI市場では、プロプライエタリベンダーが優位に立っているが、当社の収入は四半期ごとに2倍もの成長を遂げている」と話した。

 JasperSoftのサクセスストーリーからは、オープンソースの隠れたメリットが透けてみる。すなわち、複雑な機能を低価格で提供すれば、その機能の普及率は格段に上がるのである。

 しかし、普及が進めば進むほどに、乱用される機会も増えるものだ。「PowerPoint」がよい例だろう。

 作家のマーク・トウェインが言ったように、世の中には3種類の嘘があり、統計はその1つであるからこそ、ビジネススクールにはJasperSoftの取り組みを積極的に紹介していってもらいたい。この画期的なオープンソースの取り組みが、風刺漫画「Dilbert」で取り上げられるその日まで続くことを望んでいる。

(Dana Blankenhorn)

最新エントリー
カテゴリ
月別のアーカイブ
プロフィール
ZDNet.com オープンソースブログ
オープンソースの動向に詳しいDana Blankenhorn、Joe Brockmeier、Paul Murphyが米ZDNet.comに寄せている記事を翻訳してお届けします。気になるソフトウェアやキーパーソン、企業、団体などオープンソースに関する様々な情報の収集にお役立てください。
Powered by
 

企画特集

APC SOLUTIONS FORUM 2008をレポートAPC SOLUTIONS FORUM 2008をレポート
電源、冷却の効率化によるエネルギー削減とは?
DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜
セキュリティ対策レベルテスト公開!セキュリティ対策レベルテスト公開!
自社のセキュリティのウイークポイントはドコ?
ZDNet Japan Green ITZDNet Japan Green IT
サミットだけでは終わらせない!エンタープライズの取り組みはこれからだ!
仮想化環境で求められるストレージの要件仮想化環境で求められるストレージの要件
それに応えるNetAppの実力とは?
ZDNet Japan ホスティング特集ZDNet Japan ホスティング特集
2008年夏のホスティングサービスのトレンドは何?
Webセキュリティ特集Webセキュリティ特集
Web2.0時代の脅威へ対抗するためのソリューションとは?
Techno ExchangeTechno Exchange
仮想化技術がグリーンITにもたらすもの
PRADA Phone開封の儀--iPhoneと比べてみました
NTTドコモから発売されている「PRADA Phone by LG」を編集部が入手した。同じタッチパネルケータイであるiPhoneとはどう違うのか、比べながら箱を開けてみた。
iPhoneとPRADA Phone、入力インターフェースはどう違うか
この夏に発売された、注目のタッチパネルケータイ「iPhone 3G」と「PRADA Phone by LG」。いずれもタッチパネルの入力方法にさまざまな工夫を凝らしている。
毎日新聞社内で何が起きているのか(上)
電凸が引き起こしたすさまじい破壊力 毎日新聞の英語版サイト「毎日デイリーニューズ」が女性蔑視の低...