Ciscoが再びGPL違反を犯していたことを告白した。
同社がこうした違反を犯すのはこれで2度目になる。
最初の違反があったのは2003年で、このときはCisco傘下のLinksysにルータ用チップを提供しているBroadcomが、ファームウェアにGPLコードを使用していることを認めた。Ciscoはのちに、当該の802.11対応ルータのオープンソース版をリリースしたが、これは一般ユーザーによる改良のおかげで今や「スーパールータ」化している。
今回の事件は、これよりはるかにやっかいだ。なにしろ、問題となっている製品があの「WIP-300」SIPフォン――またの名をCisco「iPhone」――なのである(写真参照)。Ciscoは同製品の商標権をめぐってAppleを訴えているが、その過程ではからずも自身の知的所有権侵害が明らかになった格好となり、大恥をかいてしまった。

いったいどのような経緯があるのだろう。わたしなりに考えてみた。
問題の根源は、2社のスタンスの違いにあると思われる。
Ciscoが2003年に買収したLinksysは、802.11などのオープンスタンダードに対応したコンシューマ機器を販売している。同社は、オープンソースコードを好む中国市場を開拓してきた。法的な問題を懸念せずに、彼らが自由な設計ができるようはからっている。
一方Ciscoは特許を駆使する企業で、AT&Tをはじめとした、プロプライエタリなアプローチを採る電話会社および携帯電話会社と提携している。同社が主に注意を払っているのはセキュリティだが、同時にインターネットに対する影響力や、インターネット自身の力にも目を光らせている。ここでは、オープンソースはまさに嫌われ者だ。
Ciscoにとっていちばん手っ取り早い解決法は、Linksysを手放すことである。しかし、それでは今後の成長や電話会社とのさらなる連携が犠牲になってしまう。同社が過去にLucentやNortel、Siemensに対して取ってきた対応を思い出してほしい。ウォール街もそんな選択肢は望まないだろう。
Ciscoは、大手得意客とオープンソースを熱望するマーケットの間で、板挟み状態に陥っている。Linksysのプログラマは、強力な薬を用いるときのように、ほんの少しだけオープンソースを使ってしまった。そのおかげで、倫理の低さを暴露される結果になったわけだが。
Ciscoが迫られている選択は実に厳しいものだ。上顧客にオープンソースの価値を説き、彼らがほかのサプライヤーへ流れるのを黙認するか、インターネット産業の可能性をみすみす逃すのか、どちらかを選ばねばならない。次の「GPLスキャンダル」が起きるのを待って、怒れるコード開発者たちをやり過ごすという手も、あるにはある。
わたしなら、取るべき道は1つだ。はたして読者は、そしてCiscoの最高経営責任者(CEO)であるJohn Chambers氏は、いったいどうするのだろう。
(Dana Blankenhorn)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
- 前のエントリー: GPL第3版は訴訟の餌食?
- 次のエントリー: メジャーアップグレードよ、さらば
「ZDNet.com オープンソースブログ」 のバックナンバー
-
真の「オープンソース候補」はだれか?
ブログサイト「Vanduska」は、バラック・オバマ氏こそが“オープンソース候補”だと論じている。 同サイトが引用している、Googleによるオバマ氏へのインタビューによれば、イリノイ出身の同大統領候補は、ネッ... -
L・トーバルズ、マイクロソフトの「特許恐喝」を一蹴
-
OpenOfficeよ、友の手を取れ
-
胸襟を開く時代
-
マカフィー、オープンソース訴訟への懸念を牽制
- ZDNet.com オープンソースブログ 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【おススメのIT求人情報を掲載中!】
業界を代表する各社のインタビューも公開中 -
ERPは企業の期待に応えたか?
ERPの導入に迷われている方はこちらへ
企画特集
-
価格から質へと変わるアウトソーシング市場
多様化ニーズに応えるマネージドサービス -
ネットビジネスの変遷とサーバ管理の変化
CNET Japan編集長が聞く、アウトソーシングの有効性 -
日本企業が抱える3つの課題とは?
それに答えるインフォアのソリューションを紹介!! -
これからのERP・CRM・SFAの姿とはー
種類・提供形態・価格の多様化で選択肢が広がっている -
日々のルーチンワークを自動化する方法
JP1での業務自動化 → コスト削減+企業力アップ -
REAL IT COOL PROJECT
地球環境にやさしいITプラットフォームを目指して -
次のキーワードは、SOIとITFM
カスタムメードのグリーンITのススメ -
あの開発者の仕事が早いのはなぜ!?
C/C++の開発を効率化する究極のツールはこれだ! -
情報大洪水時代を生き抜くソリューション
最新の企業内検索ツールでビジネスプロセス改善 -
二度手間とミスばかりのデータ管理は嫌だ!
Webデータベース「働くDB」でカンタン業務改善! -
17年ぶりに進化したファイアウォール
750以上のアプリケーションを識別してブロック -
グリーンデータセンターの新潮流
GreenITの国内外の今の動向がわかる! -
ビジネスでも使えるスマートフォンアプリ
オンでもオフでも使える!充実のアプリケーションを紹介 -
MicrosoftもOracleもDWH市場に参入!
3年間で40社以上への国内納入実績を持つ強みを解説 -
ERP,CRMのレスポンスの遅さを劇的改善!
リバーベッドのWAN高速化を徹底レポート -
エンタープライズサーチ特集!
ConceptBase、SMART/Insight、Accela BizSearch -
運用管理こそ業務の背骨
メール・情報共有をシステムダウンから守る運用管理 -
レプリケーションによる災害復旧対策!
日本CA ARCserve Replication -
なぜ、ERP 導入は敷居が高いのか?
【事例】マイクロソフトのERPによる日本の商習慣対応 -
メーカー型番で選べる専用サーバ
料金改定!よりお求めやすい価格に! -
所有から利用へ。拡大するiDC市場
サービス開始から12年!信頼のさくら -
大規模システム対応のホスティングとは
SNSや動画共有サイトにも活用されています!
-
マルチコア – インテルがどのようにそれを機能させ重要なものにしているか
2008年11月4日 -
マルチコアの考え方で設計を始める時期は早すぎることはない
2008年11月4日
