だれかを眠らせたいなら、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)の開発アジェンダを読ませるのがいちばんだ。だが先日発表されたアジェンダは、オープンソース初の政治的勝利を意味する興味深いものだった。
スイスに集まった交渉担当者たちは、開発途上国が知的財産問題を扱う際の障壁を下げるために話し合われてきた24件の事項に関して、合意に至ったという。
こうした取り決めを定めるうえでは、米国でさえも10年以上固持してきた強硬姿勢を崩さざるを得なかった。ビジネス上の利益が、今回の決定を促した大きな要因であることはほぼ間違いない。
Union for the Public Domainの会長を務めるJames Love氏は、「WIPOもついに新時代へ突入した。改革への強い要求にこたえ、知的財産保護に対するより公平なアプローチを志すようになったのである」と述べている。
このたびの取り決めにより、知財へのアクセスに関する懸案の条約を検討する会議が6月に開かれることになった。Love氏はWIPOのこうした動きを、「知的財産権の適用範囲を拡大し、権利を行使することに偏っていた長年の傾向」からの前向きな脱却だと、高く評価している。
Love氏は手放しで称賛しているが、わたしは次の2つの事実がなければ、こうした決定は実現しなかったのではと思っている。
1. オープンソースは、ユーザーにソフトウェアを所有させるビジネスモデルが成り立つことを証明した。
2. 制限を設けることに血道を上げるDRM発行者が流通経路を失う一方で、Appleが大成功を収めた。
WIPOは、これまでわれわれは他者にあまり寛大でなかった、著作権至上主義ではもうやっていけないことがわかったと認めたのだ。なんともはや、すばらしい話である。
(Dana Blankenhorn)
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