オープンソースが勝ち取った初めての政治的勝利

March 2, 2007 11:53 PM
トラックバック (0)  

 だれかを眠らせたいなら、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)の開発アジェンダを読ませるのがいちばんだ。だが先日発表されたアジェンダは、オープンソース初の政治的勝利を意味する興味深いものだった。

 スイスに集まった交渉担当者たちは、開発途上国が知的財産問題を扱う際の障壁を下げるために話し合われてきた24件の事項に関して、合意に至ったという。

 こうした取り決めを定めるうえでは、米国でさえも10年以上固持してきた強硬姿勢を崩さざるを得なかった。ビジネス上の利益が、今回の決定を促した大きな要因であることはほぼ間違いない。

 Union for the Public Domainの会長を務めるJames Love氏は、「WIPOもついに新時代へ突入した。改革への強い要求にこたえ、知的財産保護に対するより公平なアプローチを志すようになったのである」と述べている。

 このたびの取り決めにより、知財へのアクセスに関する懸案の条約を検討する会議が6月に開かれることになった。Love氏はWIPOのこうした動きを、「知的財産権の適用範囲を拡大し、権利を行使することに偏っていた長年の傾向」からの前向きな脱却だと、高く評価している。

 Love氏は手放しで称賛しているが、わたしは次の2つの事実がなければ、こうした決定は実現しなかったのではと思っている。

1. オープンソースは、ユーザーにソフトウェアを所有させるビジネスモデルが成り立つことを証明した。

2. 制限を設けることに血道を上げるDRM発行者が流通経路を失う一方で、Appleが大成功を収めた。

 WIPOは、これまでわれわれは他者にあまり寛大でなかった、著作権至上主義ではもうやっていけないことがわかったと認めたのだ。なんともはや、すばらしい話である。

(Dana Blankenhorn)

最新エントリー
カテゴリ
月別のアーカイブ
プロフィール
ZDNet.com オープンソースブログ
オープンソースの動向に詳しいDana Blankenhorn、Joe Brockmeier、Paul Murphyが米ZDNet.comに寄せている記事を翻訳してお届けします。気になるソフトウェアやキーパーソン、企業、団体などオープンソースに関する様々な情報の収集にお役立てください。
Powered by
 

企画特集

Techno ExchangeTechno Exchange
RackableとCTCの地球にやさしい関係
APC SOLUTIONS FORUM 2008をレポートAPC SOLUTIONS FORUM 2008をレポート
電源、冷却の効率化によるエネルギー削減とは?
ZDNet Japan ホスティング特集ZDNet Japan ホスティング特集
2008年夏のホスティングサービスのトレンドは何?
セキュリティ対策レベルテスト公開!セキュリティ対策レベルテスト公開!
自社のセキュリティのウイークポイントはドコ?
Webセキュリティ特集Webセキュリティ特集
Web2.0時代の脅威へ対抗するためのソリューションとは?
ZDNet Japan Green ITZDNet Japan Green IT
サミットだけでは終わらせない!エンタープライズの取り組みはこれからだ!
「シンプル」&「低コスト」な運用管理「シンプル」&「低コスト」な運用管理
IT運用管理に関するアンケート実施中!
仮想化環境で求められるストレージの要件仮想化環境で求められるストレージの要件
それに応えるNetAppの実力とは?
DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜
フォトレポート:飛行機の祭典--米国最大、オシュコッシュ航空ショー
米国最大の航空ショーであるオシュコッシュ航空ショーが米国時間7月28日から8月3日まで開催された。このフォトレポートではその模様をお届けする。
L・トーバルズ氏:「主要Linuxプログラマーになるのは楽じゃない」
Linuxの生みの親であるL・トーバルズ氏が、Linuxカーネルの開発について、新規の開発者がまず心得ておくべきことをインタビューで語った。
ブログの未来はどうなる--新しいコミュニケーション手段「ライフストリーミング」
最近、ブログ世界の変化が話題になっているが、ブログに続くコミュニケーション形態としてライフストリーミングが注目を集めている。