2006年、マサチューセッツ州でオープンソースが政争に利用されたことはまだ記憶に新しい。このときは、「OpenDocument」フォーマット(ODF)を州の標準形式として採用するかどうかという、技術的な問題に焦点が当てられていた。
今度は英国で、政治家がオープンソースを駆使する様子が見られている。ただしマサチューセッツとは異なり、ここではオープンソースが政治を完全に代弁している。
10年ぶりに政権奪取の大きなチャンスをつかんだ保守党が、「ボトムアップ」や「トランスパレンシー(透明性)」などのポピュラーな用語を使って施政方針を語り、オープンソースの概念を分断争点のとして持ち込んでいるのだ。
影の大蔵大臣を務めるGeorge Osborne氏は、オープンソースを採用するすることで6億ポンド(約11億5000万ドル)のコスト削減が可能になると述べているが、同氏のほんとうのねらいは、政府事業に関する労働党の秘密主義を打倒することである。
同氏はソフトウェア調達どころか、ソーシャルネットワーキングサイトを利用して政治活動を組織および促進したり、インターネットの活用によって政府の決定に透明性を持たせたりといった計画まで発表している。
Osborne氏の考えは、英国第三の政党であり、学校でのオープンソースソフトウェア採用を提唱してきた自由民主党からも支持された。次の選挙でいずれの政党も議席の過半数を取得できなかった場合、党同士の連携が不可欠になるが、こうした流れから考えれば、自由民主党が保守党に肩入れする可能性はきわめて高く、保守党にとっては意味のあることだと言える。
ZDNetのRupert Goodwins氏は、Osborne氏のIT問題に対する姿勢を「イケてる」と評価したが、わたしは経験上、政治家が「イケてる」ことを口にするときは、彼らが垂らしている釣り糸のどちら側に釣り針がついているのか、よくよく気をつけて確かめることにしている。釣り上げられのは、ほかのだれでもなく、わたしたち自身かもしれないのだ。
保守党のオープンソースびいきは、結局のところよい兆候なのか、あるいはそうではないのか。政治の世界ではおなじみのいかさまなのか、それとも、オープンソースはほんとうに現代社会の問題を解決する政治的手段になりつつあるのか。Barack Obama氏やRudy Giuliani(もしくは、大統領選への出馬が噂されるFred Dalton Thompson氏)が、すぐそこのサーバファームを見学に訪れたりする日が、いつかはやって来るのだろうか。
(Dana Blankenhorn)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
- 前のエントリー: レッドハットとエクサデルのかつてないオープンソース提携
- 次のエントリー: 仮想化の流行とオープンソースの将来
「ZDNet.com オープンソースブログ」 のバックナンバー
-
真の「オープンソース候補」はだれか?
ブログサイト「Vanduska」は、バラック・オバマ氏こそが“オープンソース候補”だと論じている。 同サイトが引用している、Googleによるオバマ氏へのインタビューによれば、イリノイ出身の同大統領候補は、ネッ... -
L・トーバルズ、マイクロソフトの「特許恐喝」を一蹴
-
OpenOfficeよ、友の手を取れ
-
胸襟を開く時代
-
マカフィー、オープンソース訴訟への懸念を牽制
- ZDNet.com オープンソースブログ 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【おススメのIT求人情報を掲載中!】
業界を代表する各社のインタビューも公開中 -
ERPは企業の期待に応えたか?
ERPの導入に迷われている方はこちらへ
企画特集
-
ネットビジネスの変遷とサーバ管理の変化
CNET Japan編集長が聞く、アウトソーシングの有効性 -
価格から質へと変わるアウトソーシング市場
多様化ニーズに応えるマネージドサービス -
17年ぶりに進化したファイアウォール
750以上のアプリケーションを識別してブロック -
これからのERP・CRM・SFAの姿とはー
種類・提供形態・価格の多様化で選択肢が広がっている -
日々のルーチンワークを自動化する方法
JP1での業務自動化 → コスト削減+企業力アップ -
情報大洪水時代を生き抜くソリューション
最新の企業内検索ツールでビジネスプロセス改善 -
ビジネスでも使えるスマートフォンアプリ
オンでもオフでも使える!充実のアプリケーションを紹介 -
REAL IT COOL PROJECT
地球環境にやさしいITプラットフォームを目指して -
日本企業が抱える3つの課題とは?
それに答えるインフォアのソリューションを紹介!! -
次のキーワードは、SOIとITFM
カスタムメードのグリーンITのススメ -
あの開発者の仕事が早いのはなぜ!?
C/C++の開発を効率化する究極のツールはこれだ! -
グリーンデータセンターの新潮流
GreenITの国内外の今の動向がわかる! -
二度手間とミスばかりのデータ管理は嫌だ!
Webデータベース「働くDB」でカンタン業務改善! -
大規模システム対応のホスティングとは
SNSや動画共有サイトにも活用されています! -
なぜ、ERP 導入は敷居が高いのか?
【事例】マイクロソフトのERPによる日本の商習慣対応 -
ERP,CRMのレスポンスの遅さを劇的改善!
リバーベッドのWAN高速化を徹底レポート -
メーカー型番で選べる専用サーバ
料金改定!よりお求めやすい価格に! -
エンタープライズサーチ特集!
ConceptBase、SMART/Insight、Accela BizSearch -
所有から利用へ。拡大するiDC市場
サービス開始から12年!信頼のさくら -
MicrosoftもOracleもDWH市場に参入!
3年間で40社以上への国内納入実績を持つ強みを解説 -
運用管理こそ業務の背骨
メール・情報共有をシステムダウンから守る運用管理 -
レプリケーションによる災害復旧対策!
日本CA ARCserve Replication
-
マルチコア – インテルがどのようにそれを機能させ重要なものにしているか
2008年11月4日 -
マルチコアの考え方で設計を始める時期は早すぎることはない
2008年11月4日
