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「Windows版Safari」は撒き餌だ――オープンソースコミュニティをうかがうアップル

 過去10年間を振り返ってみるに、テクノロジー界には2つの大きな出来事があった。オープンソースが、その1つである。

 もう1つは、Steve Jobs氏によるAppleの復興だ。「iTunes」と「iPod」のリリースをきっかけに、Appleは業界のメインストリームへ復帰した。過去10年間のPCコンピューティングの盛り上がりは、Appleの存在なしには語れない。

 今回Jobs氏は、Appleの「Safari」ブラウザをWindowsに対応させ、オープンソースとして提供することによって、この2つのトレンドを合体させた。

 とはいえWindows版Safariを酷評する声も出て来ており、同製品との競争を余儀なくされる「Firefox」陣営のMozilla Foundationなどは、あからさまにこれを無視する態度を見せている。

 だが、彼らの批判はまったく的はずれだと、わたしは思う。

 Windows版Safariの提供は、Appleの「活動」であると考えるのだ。Appleはコンピュータ業界随一のプロプライエタリ企業で、その保守性はMicrosoftより強い。そのAppleがソースコードの一部をこちらに向かって放り投げ、いわゆる「開発コミュニティ」の動向をうかがおうとしているのである。

 今のところ、目立った動きはハッキングくらいのものだが、それ以外にもできることはたくさんあるはずだ。Jobs氏は今後1〜2年かけて、コミュニティの出方を見守るつもりなのだろう。Safariの機能は向上するのか、Appleとオープンソースコードを歓迎するというコミュニティの言葉はほんとうなのか、本当だとして何かよい影響は生まれるのかといったもろもろの事柄を、Jobs氏はじっくり観察しているのだ。

 だから、ユーザーにはSafariを使うためにダウンロードしてほしくない。将来のためを考えてその弱点を探し、弱点を補うには何ができるのか、最高のオープンソースブラウザはどうあるべきかということを模索してほしい。

(Dana Blankenhorn)

 

 

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