結果的に、電話ではなかった。1枚の仕様書とある提携が姿を現しただけ――。
こちらを煽るだけ煽って大騒ぎした挙げ句、Googleが発表したのは、Open Hardware Alliance(OHA)と呼ばれるアライアンスだった。同組織は、Googleが先に買収したAndroidの技術に基づく独自仕様をサポートする、34社の企業から成り立っている。
そう、結局のところ、残念ながら「GPhone」は登場しなかったのだ。
OHAにはT-MobileやSprintが会員として名を連ねているが、これは具体的には何を意味するのだろうか? 実は、たいした意味はない。彼らは、世界のモバイルネットワークにオープンスタンダードをもたらし、ユーザーに利用するアプリケーションの選択権を与え、排他的な環境を打破するつもりなのだろうか? いや、そんなつもりはさらさらない。
つまりこれは、製品アナウンス版のパリス・ヒルトンみたいなものなのだ。見てくれや金のことはもうわかった、過剰に宣伝されている事柄以外には何があるんだ? パリス嬢に関して言えば、ほとんど何もない。そしてGoogleも、実物を差し出すか口を閉じるかの二者択一を、市場からいずれ迫られるだろう。検索エンジンだけでは、やはり「色気」不足なのだ(しつこいようだが、パリス嬢もぜんぜん色っぽくないと思う)。
Googleは、どこかに直接勝負を仕掛けているわけではない。莫大な金額を賭けているのでも、みずからを危険にさらしているのでもない。700MHz周波数帯の入札をめぐって、同社が取っていた姿勢そのままだ。「ウチの言うとおりにやってくれるなら、何十億ドルか出してもいいよ。え、やらない? ならいいや」と、見過ごすのである。新しい周波数帯を競り落とすのは結局は旧来のキャリアで、事態は何も変わらない。
現在の評価額が2230億ドルに達しているGoogleは、時折わたしたちにそのおこぼれを授けてくれる(AndroidやYouTube、Bloggerの買収がそうだ)。だが、同社が本気で勝ちに行こうと思う日は、果たして来るのだろうか。これまで多方面にばらまいてきた資金を回収できるのは、いったいいつになるのだろう。
どんな技術企業においても、バブル期はいずれ終わる。YahooはBroadcast.comのMark Cuban氏を金持ちにしてやっただけで、バブルをムダにした。Microsoftは、ひたすら己の支配力を強化するのにバブルを利用した。2社を比べれば、Microsoftのほうが賢明だったと言える。
これから先、Google創業コンビはスタンフォード大の先輩であるYahoo創業コンビとますます似てくるのかもしれない。おかしな方向へ行き始めたときは、市場が待ったをかけられればよいのだが。
(Dana Blankenhorn)
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