「系列」は寿司と同じく、米国が取り入れ、変換し、原形からかけ離れた形で利用してきた、日本生まれの興味深い「コンセプト」の1つである。
本来日本では、寿司は酒とともに友人たちと楽しむ前菜であり、サラリーマンを仕事の緊張から解放し、夕餉を取る前に軽くつまめるよう用意されるものだ。酒の肴というわけである。
これが米国では、感謝祭のディナーになることもある。冗談ではない。わが家の子供らは七面鳥が嫌いなので、サンクスギビングには魚を下ごしらえし、一緒に巻き寿司作りを楽しむことにしている。ごく一般的な家庭でも、アメリカでは寿司は立派な夕食になっている。
系列という言葉も、同じように扱われている。日本人は、投資や指揮系統などを介して強固に結びついた他業種の企業群を、系列と称している。枠の大きな家族企業といった意味だ。
ところが米国では、技術の専門家らが、はるかに緩やかな投資関係や戦略の共有状態を言い表すのに、もう10年以上も系列という言葉を用いてきた。わたしも10年ほど前から、MicrosoftやIBMなどの勢力範囲内にいる小規模企業が系列と呼ばれるケースを見聞きしてきた。
日本の友人の気分を害する前に断っておくが、米国はどんなものに対してもこうした仕打ちをするのである。例えば、アメリカ英語で「graft」と言えば汚職の意だが、もともとのイギリス英語では、一生懸命にやることを指す。「セスク・ファブレガスは得点力のある選手だが、タックルやデフェンスでも力を発揮する(Cesq Fabregas scores goals but he also does the graft of tackling and defending)」といった具合に使うのだ。
オープンソース界にも系列は存在するのだろうか。答えはイエスだ。1年前に成立したNovellのLinux協定、あれこそは、同社がMicrosoftのオープンソース系列に入るというものだった。だれもがそう考えていた。
Red Hatについても、IBMの系列だという意見をしばしば目にする。これは、IBMがRed Hatを所有しているという意味ではない。両社間にきわめて密接な協力関係があるということだ。
「New York Times」紙が先日掲載したMozillaの記事は、今日のMozilla Foundationを、Googleと金の鎖で結ばれた同社のオープンソース系列であることを前提としていた。
Sunに言わせれば、大切なのはエコシステムだということになるかもしれない。確かにソフトウェアベンダーおよび再販企業との関係は重要だが、わたしが論じている系列関係とは、金銭や契約書といった企業の血肉の交換を含む、より規模の大きなもののことなのである。
オープンソース系列を運営するだけの規模と視野、さらには野心を持ち合わせているのは、今のところGoogle、Microsoft、IBMの3社だと思っている。Sunも系列を統括する立場に立ちたいようだが、まだその資格はない。
(Dana Blankenhorn)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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