ネットの中立性を確立しようとする試みもむなしく、大手電話会社やケーブル事業者が、インターネットを自己の目的のために乱用するケースがあいかわらず後を絶たない。
先日、「OpenOffice」のウェブサイトにある指示に従って、「BitTorrent」クライアントをから同ソフトウェアの新版をダウンロードしようとしたのだが、結局できなかった。わたしが契約しているISPは、Comcastである。
ケーブル事業者は、自社のサービスと競合する可能性のあるビデオダウンロードを制限し、顧客におよぶ影響を排除するのに熱心なのだ。
だが、これなどはまだましな方だと言える。
カナダのRogers Communications(カナダ版Comcastのような会社)は、Googleのトップページをハイジャックし、独自のテキストまで付け足している。この仕組みを利用すれば、自社の広告を掲載したり、ユーザーをYahooへ誘導したりすることも可能だろう。
1990年代前半に登場し始めたステートフルパケットインスペクション機器は、大手ISPによる全ユーザーの行動監視を実現するところまで成熟した。政府もこうした傾向を支援している。むろんISP自身も、そうすることにやぶさかではない。
Lauren Weinstein氏は、最近の特許出願に、ISPがユーザーを定期的に監視し、ウェブページを変更するのを助けるものが多いことを指摘している。実際に多くのプロバイダーが、全面的なトラフィック監視とウェブページの変更をあらかじめ承諾させる契約を結ぼうと、躍起になっている。
インターネットアクセス市場の競争がもっと激しければ、ユーザーはそうした力の乱用に反対の声を上げることができただろう。しかし、現在のように非競争的な市場では、それも無理な話だ。
今日用いられている技術と、企業が抱いている野心が、インターネットを明日にもコーポレートネットへ変えてしまうかもしれない。そこは、ユーザーのオンライン上の行動が逐一監視され、契約ISPがユーザーの行動に乗じてひともうけしようと企む世界だ。
これまでこうした企みは、静かに密やかに行われてきたが、2008年には一気に表面化すると思われる。
ユーザーである読者諸君、さてどうする?
(Dana Blankenhorn)
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