Nicholas Carrが「終わらない論争」と題して、エンタープライズにおけるITの価値に関する待望の議論を再開した。Carrは著書「IT Doesn't Matter(ITは重要ではない)」で物議を醸した人物だが、このたび米「Harvard Business Review」誌に、またもや挑発的な記事を寄稿した。
確かにこの論争はまだ決着していない。終わりにしてはならないし、今後も議論を続けていくべきテーマだ。Carrは先日、米「Fortune Small Business」誌が掲載した、1つの問題に対してそれぞれ持論を展開する新しいスタイルの記事の中で、DellのCEOであるKevin Rollinsと真っ向から対決した。以下にその抜粋を引用する。
Carr 年とともに現代コンピューティング技術はより利用しやすくなり、標準化および均質化も進んだ。価格も下落し続けている。これは、テクノロジーを積極的に導入したからといって、企業は優位を保てるわけではないということを意味する。こうした傾向が加速するにつれ、他社に追いつかれる可能性もますます大きくなるからだ。ITがこうした新たな段階へ達した暁には、ごく小規模な企業でも力のある企業に追いつくことができるようになるだろう。このように、ITが提供する優位性は失われていくのである。Rollins それはまったくの誤りだ。Carrの考えが正しいならば、なぜすべての企業は同じように振る舞わないのだろう? 標準的な技術をだれもが利用できる環境にいるというのに。低コスト化した標準技術を利用する場合は、どのテクノロジーを採用するのか、そのテクノロジーで何をするのかといったことが問題になる。したがって、ITには意味があるのだ。だが現在では、あらゆる標準技術を取り入れ利用することに重きが置かれている。そうした取り組みがうまくいっていないこともある。間違った製品を購入してしまうこともある。だが反対に、適切なものを導入し、うまく運用することも可能なのだ。
ハードウェアやOS、ネットワークやストレージが日用品化している現状に鑑みると、Carrの考えは大きな説得力を持っている。われわれはみな、「革命的な」技術やパラダイムシフトや転機といった、実に大げさな(驚くべき)企業の喧伝に振り回されてきた。「ITは重要か」どうかという論争は、誇大宣伝をふるい落とすのに有用であることから、今後も続けられるべき議論なのだ。
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