先週開催された「Gartner Enterprise Architecture Summit」で、Amazon.comのバイスプレジデントとワールドワイドアーキテクチャ、最高技術責任者(CTO)を兼任するWerner Vogels氏が、SOAおよびWebサービスを利用している企業に賢明な助言を授けた。いわく、事前に入念な計画を立てるのもよいが、とにかく現状から一歩踏み出して取り組みを開始することが何より大切で、しかもシステムは単純であればあるほど好ましいという。
100万社に上る取引先を持ち、6000万人におよぶユーザーを抱える企業からのアドバイスとしては、あまりにシンプルなものであるように聞こえるかもしれないが、Amazonほどの成功を収め、それを維持するには、可能なかぎり柔軟でいることが必要なのだ。Vogels氏は基調講演の中で、オンライン小売り大手のAmazonは、取り引きデータを処理するため1999年にメインフレームを購入したが、その決断をすぐに後悔したと述べている。というのも、メインフレームは取引数が増大するにつれて不可欠となる、可用性と柔軟性を持ち合わせていなかったからだ(これは1999年当時の話であり、現在の「zSeries」メインフレーム製品ラインはSOAともうまく連係できる。だがこれはまた別の話だ)。
その後数年をかけて、Amazonは解決策を見いだした。すなわち、同社のデータベースを温存しながら、トランザクションレイヤーを形成してオンラインビジネスアプリケーションを処理できるWebサービスを構築することにしたのである。「われわれは、SOAが流行語になる前から、これを実践していた」(Vogels氏)
「サービス指向型はほんとうに使える。サービス指向というコンセプトなしには、(AmazonのLinuxブレードサーバ)プラットフォームの構築は不可能だっただろう」(Vogels氏)
Amazonでは、開発チームが何らかのWebサービスを開発した場合は、当のチームがサービスのテストやメンテナンス、アップグレードにまで責任を持つという管理スタイルを採用している。Vogels氏は、「自分が作ったものは、自分のもの」をモットーとしているという。
またVogels氏は、開発者らにはサービスをなるだけシンプルに保ち、なおかつ1種類の技術や標準にこだわらないよう、常々注意しているそうだ。AmazonはRESTをベースにサービスを構築しているが、Vogels氏はどの技術を基礎とするのが最適なのかという議論には決着をつけておらず、パートナーがRESTを用いていようとSOAPを用いていようと、関係ないと断言している。「当社の開発者は、RESTやSOAPの別なく作業を進めている。すべては顧客次第という考え方を持たせている」(Vogels氏)
(Joe McKendrick)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
- 前のエントリー: それでもSOAは2.0――オラクルのこだわり
- 次のエントリー: 提唱者も驚く、SOA 2.0反対運動の盛り上がり
「ZDNet.com SOAブログ」 のバックナンバー
-
SOAスイートの誘惑に打ち勝つ!
もしかすると、ベンダーの製品は緊密に統合されすぎていて、返って逆効果なのではないだろうか。もちろん、SOAについての話である。 SOAは本来、パッケージERPやCRMシステムような形で「買う」ものではない。... -
SOAとEAとBPM――その差はどこに?
-
SOA+Web 2.0=ビジネスIQアップ!?
-
予算カット? だったら、ゲリラSOAがオススメ!
-
予算削減――SOAを切る? それとも生かす?
- ZDNet.com SOAブログ 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【おススメのIT求人情報を掲載中!】
業界を代表する各社のインタビューも公開中 -
ERPは企業の期待に応えたか?
ERPの導入に迷われている方はこちらへ
企画特集
-
ビジネスでも使えるスマートフォンアプリ
オンでもオフでも使える!充実のアプリケーションを紹介 -
17年ぶりに進化したファイアウォール
750以上のアプリケーションを識別してブロック -
情報大洪水時代を生き抜くソリューション
最新の企業内検索ツールでビジネスプロセス改善 -
二度手間とミスばかりのデータ管理は嫌だ!
Webデータベース「働くDB」でカンタン業務改善! -
日本企業が抱える3つの課題とは?
それに答えるインフォアのソリューションを紹介!! -
REAL IT COOL PROJECT
地球環境にやさしいITプラットフォームを目指して -
価格から質へと変わるアウトソーシング市場
多様化ニーズに応えるマネージドサービス -
次のキーワードは、SOIとITFM
カスタムメードのグリーンITのススメ -
グリーンデータセンターの新潮流
GreenITの国内外の今の動向がわかる! -
これからのERP・CRM・SFAの姿とはー
種類・提供形態・価格の多様化で選択肢が広がっている -
ネットビジネスの変遷とサーバ管理の変化
CNET Japan編集長が聞く、アウトソーシングの有効性 -
日々のルーチンワークを自動化する方法
JP1での業務自動化 → コスト削減+企業力アップ -
あの開発者の仕事が早いのはなぜ!?
C/C++の開発を効率化する究極のツールはこれだ! -
MicrosoftもOracleもDWH市場に参入!
3年間で40社以上への国内納入実績を持つ強みを解説 -
大規模システム対応のホスティングとは
SNSや動画共有サイトにも活用されています! -
レプリケーションによる災害復旧対策!
日本CA ARCserve Replication -
運用管理こそ業務の背骨
メール・情報共有をシステムダウンから守る運用管理 -
メーカー型番で選べる専用サーバ
料金改定!よりお求めやすい価格に! -
ERP,CRMのレスポンスの遅さを劇的改善!
リバーベッドのWAN高速化を徹底レポート -
なぜ、ERP 導入は敷居が高いのか?
【事例】マイクロソフトのERPによる日本の商習慣対応 -
エンタープライズサーチ特集!
ConceptBase、SMART/Insight、Accela BizSearch -
所有から利用へ。拡大するiDC市場
サービス開始から12年!信頼のさくら
-
マルチコア – インテルがどのようにそれを機能させ重要なものにしているか
2008年11月4日 -
マルチコアの考え方で設計を始める時期は早すぎることはない
2008年11月4日
