SOAが期待通りの力を発揮すれば、インテグレーションや開発にかかるコストは劇的に低くなる。再利用可能な既存のサービスを用いてアプリケーションを開発できるようになることから、1社に複数のIT部門は必要なくなるのだ。
すなわち、SOAが実現するとされているメリットの中でも最も即効性のあるのが、開発時間の短縮ということになる。こうした効果が得られるとなると、心配になるのは開発者やIT技術者たちの将来だ。
だが、「InfoWorld」のDave Linthicum氏は、これからもたくさんの仕事が生まれるはずなので、心配にはおよばないと話す。少なくとも、業務の効率化によって開発者が職を奪われるという話は、過去にもたびたび浮上したことがあるというのである。
「ここ15年の間、いくたびも『誇大宣伝期』が出現し、その都度われわれは開発者の立場を案じてきた。わたし自身は聞いたことがなかったが、中には『コンポーネント期』なるものもあったという。あるソフトウェア企業の幹部の話では、このときは『Fordが自動車を組み立てるように、あらかじめ用意したコンポーネントからアプリケーションを製作できるようになる』ことが喧伝され、やはり開発者の数が減るのではと懸念されたそうだ。その後も、分散オブジェクト期、イントラネット期と同様の動きが見られ、現在のSOA期に至っているわけである」(Linthicum氏)
そもそもSOAに関しては、雇用減少の可能性を憂慮するには時期尚早だと、Linthicum氏は指摘している。「第一、そうした予測が的中したことはまだ一度もない」(Linthicum氏)
さらに同氏は、SOAが本格的に採用され始めたとしたら、雇用機会は減るどころか増えるだろうと述べた。「インターネットを介したサービスの利用が進んだ場合、これまでにはなかったタイプのアプリケーションサービスを開発する、新世代の人材が必要になる。彼らの仕事は、多くのアプリケーションを主にウェブ経由のサービスとして利用するための一部分を開発することで、これはきわめて大規模な産業になると思われる」(Linthicum氏)
わたし自身も、SOAが開発者の脅威となる可能性は薄いという考えに賛成だ。IT関係の業務は、(例えばメインフレームやUnix、Oracleといった)特定のプラットフォームから離れ、企業活動のさまざまな分野に流用できる標準的なスキルに集約していくだろう。むしろ現時点で差し迫った脅威と言えるのは、ルーチンワークに取り組む労働力を用なしにする自動化である。こうした傾向は、今後も続くはずだ。
ビジネスにおけるITへの依存度はますます高まっていることから、IT専門家がシステム管理に関わる機会が少なくなり、コンサルタント的な役割を負うようになるのは確実である。SOAがこれを後押ししているのも、また事実だ。SOAを運用していくには、ビジネスと連携し、そのサポートを得ることが不可欠だからである。
(Joe McKendrick)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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