サービス指向アーキテクチャのほんとうの姿を知りたいなら、テクノロジーを利用しないでSOAを構築してみればよい――いつもながら、AvorcorのプリンシパルJP Morgenthal氏のSOA問題に対する切り口は鋭い。SOAがビジネスに対して持つ価値を正しく把握したい場合は、特定の技術を念頭に置かずに作ってみよというのだ。
SOAを構築しようと思ったとき、普通は何らかのテクノロジーやサーバ、インフラストラクチャの存在を前もって想定する。だが実際は、テクノロジーはSOAの概念を阻害するものだ。この際テクノロジーは無視し、SOAを純粋なビジネスプロセスを表す言葉として考える時期が来ているのかもしれない。
Morgenthal氏は物事を食に絡めてたとえるのがうまい。数年前にも、ビジネスに対する好影響がすぐに現れないサービス開発を指して、「社食Webサービス」というフレーズを使っていた。社員食堂で毎日食べられるメニューを考案するようなWebサービス開発はナンセンスであり、「社食Webサービスでよいなら、午後の1時間も費やせば5000は準備できる」と発言した。
SOAの問題に関しては、同氏は究極のフードサービス、すなわちマクドナルドのサービスを引き合いに出し、同社は「人間ベースのSOA」なるものを築き上げていると論じた。マクドナルドの人間ベースSOAは、ドライブスルーカウンターとして具現化されている。マクドナルドは、ドライブスルーでの消費者エクスペリエンス向上に努めてきているが、大半の読者が経験で知っているとおり、ドライブスルーでは背後で騒音がしたり、意思の疎通が図れなかったりといった問題が生じる。
「マクドナルドが講じた解決策は、まさにSOA以外の何者でもない。使っている技術といえば通信技術だけだ」と、Morgenthal氏は説明している。ドライブスルーで注文した客の満足度を上げるため、マクドナルドはカウンターの注文システムをコールセンターに接続することにしたという。車に乗ったままの客から注文を取るというシステムを、必要に応じてテクノロジーとプロセスを入れ替えられる「サービス」へ転換したのだ。「受注システムをサービス化したことで、将来的にそう望むなら、すでに稼働しているプロセスに影響を与えないで外部委託できるようになった」(Morgenthal氏)
Morgenthal氏は、マクドナルドの取り組みはSOAのコンセプトに合致していると話す。「システムを、サービスプロバイダーを変更しても業務に支障を来さないようなサービスとしてデザインしたとき、それはSOAと呼ばれるものになる。SOAはITがなくても実現できる。世界中のあらゆるタイプのシステムに応用できるデザインのパターンが、SOAなのだから」(Morgenthal氏)
※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。
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