コンプライアンス対策として普及し始めたシンクライアント(1)

November 21, 2006 10:36 AM
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最近、シンクライアントの市場が拡大し注目されている。シンクライアントとは、クライアントサーバ型のネットワークにおいて、クライアント(Client)側のハード及びソフトを極力少なくし(Thin)、サーバ側でほとんどの処理を行うようなネットワークシステムおよび、そのクライアント端末のことを示す。

コンセプト自体は古くから存在していて、最初に注目されだしたのが90年代半ばぐらいに出てきたネットワークコンピュータである。当時は、WindowsPCが非常に好調で、ネットワーク端末がホストコンピュータやオフコンなどの専用端末から、ダウンサイジングとともにWindowsPCに置き換わっていた時代である。シンクライアントは、それに対抗するため出てきたコンセプトであった。ハードウエアの特徴としては、記憶媒体であるHDDを持たず、ジョブの大半をサーバ側で実行し、OSも高価なWindowsを搭載しない。そのためクライアント端末の低価格化が可能となった。

ただし、シンクライアントの市場を見ると、2002年ころまでは、それほど普及していたとは言いがたい。シンクライアントでは、サーバ側の負担が非常に大きいが、それまではサーバがまだまだ高価で、一方、クライアント側も、PCの価格が急速に低下してきたため、おそらく価格面でメリットが取れなかったためであろう。

ところが、2002年ごろから急速に伸びを見せるようになってきたのである。IDCの調査によると、2005年のシンクライアントの市場は世界で約240万台、米国は約100万台であったそうだ。2005年の世界のPC年間出荷台数は約2億2千万台、米国が6千7百万台なので、PCを含めたコンピュータ端末の市場から見ると世界で約1%、米国では1.6%のシェアを有することになる。LANなどクライアントサーバーシステムに接続されているPC端末は、そのうち半分も満たないであろうから、ネットワークに接続する端末というカテゴリーで見れば、さらに大きなシェアを有すると思われる。さらに、2005年から20099年までの平均成長率は、全世界で22%で、日本の平均成長率(2005年から2009年まで)は、79%ときわめて高い成長が予想されているのである。

ちなみに、ベンダー別に見ると、シリコンバレーのWyseTechnology がトップで、全世界で39%、米国で49%、アジアでは39%のシェアを獲得している。さらに、2005年には日本法人を設立し、積極展開し始めた。SunHPなど大手も、ハイスペックなサーバの営業推進と、セキュリティシステムの販売の一環として、積極的に力を入れている。

コンプライアンス対策として普及し始めたシンクライアント(2)に続く

(徳田浩司 koji.tokuda at www.fusion-reactor.biz

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徳田浩司(Koji Tokuda)
Fusion ReactorのCEO。東京大学工学部卒。三和銀行に入社し、傘下の総合研究所にてシステムコンサルティング業務、銀行でM&A、新事業開発支援、ベンチャー投融資に従事した。2000年三菱商事金融部門に転職、日米のベンチャーファンドへの投資業務に携わった。2004年に独立、米国シリコンバレーに拠点を移し、日米のベンチャー企業のサポート業務、投資業務、IT・金融ビジネスのコンサルティングに従事中。
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