サービス時代の到来と人口減少の影響(4) − 米国社会で日本を凌駕する韓国

January 20, 2007 05:00 AM
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サービス時代の到来と人口減少の影響(3) − 韓国企業は自国市場での実績を活かし海外進出 より続く

いろいろと韓国の話題が出てきたが、韓国の国際化について、国際ビジネスコンサルタントで、ブレインストーム・ワールドワイド株式会社代表取締役の石崎 浩之氏に尋ねてみた。氏は、ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学MBAを卒業し、以降、ロサンゼルスでのビジネスを積極展開しており、米国のみならず、世界的な国際事情についても精通している。

人口減少に対応し国家主導で早々とグローバル化を目指した韓国

徳田:米国に住んでみて、国際化という面で、日本は非常に遅れていると常日頃感じています。知人のMBA留学生から、アジア地域で、日本の留学生の数が激減して、韓国、中国、インドが勢力を増しているという話がありました。また、VCの方のお話で、韓国は国家政策として、国内市場をテストベッドとし、海外への進出の実績として考えているという話がありました。また、韓国企業の開発と海外市場への取組みスピードについて指摘する声もありました。これらについて、いかがお考えですか?

石崎:韓国は、私もずっと注目しています。1997年の通貨危機による経済混乱と、そこから国民が自分の金を拠出するほどの激烈な危機意識、そして旧財閥を解体・統合する苦難と、国家主導の国際化政策により、急激にグローバル化しています。「失われた10年」と何年も言い続け、だめなものは潰す意思決定から逃げまわった日本とは大違いです。

英語に積極的に取り組む韓国人と、不得意を理由に世界展開をしり込みする日本人

徳田:まずは、日本人は英語が出来ないというのが、日本の国際化を阻んでいると思うのですね。実際に、自分も苦手としていましたし(苦笑)。日本人は日本でがんばればよいと思って、海外ビジネスは自分には関係ないとずうっと逃げていたのですよ。90年代後半に、インターネットの時代になって海を簡単に越えて、アメリカのソリューションがどんどん入ってきたわけですよね。それで、日本のソフトウェアがどんどん淘汰されてしまった。それを見ているうちに焦って、やはり海外展開が必要だと感じて、35歳にもなって、海外ビジネスを始めたく転職し、英語の勉強を再開したのです。日本のIT産業の中でも、特に、ソフトウェアやシステムインテグレーションでは、世界における日本企業は非常に弱いと思いますね。韓国語も日本語と同様に、文法の並び方がヨーロッパ言語とは異なっていて、英語を習得するのが不利だと言う点では同じだと思うのですが?

石崎:韓国は、英語教育もものすごく盛んだとか。私がMBAに行っていた当時は、クラスで英語が喋れずディスカッションに参加できないのは日本人と韓国人、というのがどこでも見られる風景でしたが、いまでは国家全体で英語教育に力を入れているそうです。このままでは英語がダメなのは日本人だけ、という状況になりかねません。

徳田:それは、非常にまずいですよね。確か、韓国では既に小学校から英語をスタートしています。私が住むサンフランシスコからサンノゼにかけてのいわゆるシリコンバレーでも、韓国人がたくさんいますが、彼らはみんな英語が得意ですね。本国の人口比で言うと、韓国は日本の半分以下なのですが、シリコンバレーには、コリアンタウンと呼べるような場所もあり、日本人の何倍もいそうな感じです。

米国でも勢いを増す『韓流』パワー

石崎:アメリカ西海岸、ロサンゼルスエリアを例に取ると、南カリフォルニアおよびアリゾナ州のロサンゼルスに在留する日本人は68,346人(出典:在ロサンゼルス日本国総領事館調査)。これは在留届を出している人の数なので、短期滞在などの方を含めると、実際はある程度増えますが、これくらいのものでしょう。それに対し、ダウンタウンの西の広大なコリアタウンを要する韓国は、2000年時点のロサンゼルス、リバーサイド、オレンジカウンティの合計人口は272,498人(出典:U.S. Census Bureau, Census 2000)と、格段に多いのです。全く同じ基準に基づく比較ではないですが、韓国のほうが調査年が古く、しかも対象地域がずっと小さいのに対し、約4倍になります。

徳田:やはりそうですか。本国の人口比では日本対韓国は2.5:1が、米国では逆に1:4ということになりますね。

石崎:ではロサンゼルス現地の近況はどうかと言えば、コリアタウンは縦横に拡大し、ハングル文字の看板がとめどなく続きます。真新しいKoreatown Plazaというショッピングモールに足を運べば、テナントショップからフードコートまで、多くの韓国系の人たちでにぎわっています。それに比べ、ダウンタウン郊外のリトルトーキョーや、UCLAやサンタモニカカレッジに近いソーテルというエリアに足を運べば、私がロサンゼルスに住んでいた2000年当時に比べかなり寂れた感じがあります。全体の人数が少ないだけでなく、日本食レストランでも客はアメリカ人や中国人のほうが多いのです。そこで試しに、ソーテルの日本食レストランで、最近のこのエリアのお店の状況を尋ねたところ、店舗のオーナーが日本人から韓国人や中国人に移っている店が増えているとのことでした。これをもって、アメリカ全体、世界全体において日本が韓国の後塵を拝しているというのは早計でしょうが、少なくともロサンゼルスエリアで実際に起こっている現実なのです。

徳田:そんな状況ですか。健康志向で、日本食に人気があって、すし屋など日本食レストランが多い反面、おっしゃるように、シリコンバレーでも、実際には、オーナーは韓国人に変わってしまっているという店が少なくないと聞いています。ロサンゼルスでも同じ状況が起こっているわけですね。アメリカでは既に、韓国人による日本企業のM&Aが進んでいるとも言えますね。韓国企業の今後の国際化の動きはどうでしょうか?

サービス時代の到来と人口減少の影響(5)に続く

(徳田浩司 koji.tokuda at www.fusion-reactor.biz

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徳田浩司(Koji Tokuda)
Fusion ReactorのCEO。東京大学工学部卒。三和銀行に入社し、傘下の総合研究所にてシステムコンサルティング業務、銀行でM&A、新事業開発支援、ベンチャー投融資に従事した。2000年三菱商事金融部門に転職、日米のベンチャーファンドへの投資業務に携わった。2004年に独立、米国シリコンバレーに拠点を移し、日米のベンチャー企業のサポート業務、投資業務、IT・金融ビジネスのコンサルティングに従事中。
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