あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
掲題、 『2008年はサービス化が新たなステージへ』という2008年の新春展望を執筆したのでご覧いただきたい。昨年の、 『2007年は「サービス」時代の幕開け』 と合わせて読んでいただければ、世界はどういう方向に進んでいるのかご理解いただけるのではないかと思う。
大きな流れとしては、タイトルどおり全てにおいて「サービス化が進んでいる」 ということである。
いろいろな現象を取り上げて説明しているが、補足すると以下である。
・ソフトもハードも、インフラが集約され、ものづくりはそのインフラを提供する一部の企業に絞られてしまう
-アップルのiPhoneがいい例で、携帯ステレオだけでなく、カメラ、PDA、携帯電話、など、種々の機能を包含してしまい、寡占化が進んでいくと思われる。
・インフラは次第に世界共通になる。ユーザー数は非常に大きくなり、安く提供される。しかも、ユーティリティモデルが優勢となってくる。
-iPhoneは、今はまだ400ドル(約4万円)ぐらいするが、今後は、携帯電話と同じように、イニシャルの価格は0に近づいていき、最後は月額使用料だけになってしまうのではないかと予想する。そうなると、ユーティリティモデルを描けないSONYのWalkmanを含めて、他社はもはや追いつけなくなる。
・2番手、3番手ぐらいまでは何とか生き残ることは可能だが、それ以下はだんだんと生き残る余地はなくなってくる
-iPhoneが拡大しているが、それに従い、携帯ステレオ、カメラ、PDA、携帯電話における、下位メーカは、よほどの特徴を出さない限りは、生き残りはかなり難しいのではないか。あるいは、相当な低価格戦略をとるしか、生きる道はないかもしれない。
・そのため、インフラを提供できるところ以外は、インフラ作りは放棄し、サービス提供に徹して生き残りを図るしかない
-IBMがコンピュータづくりを放棄し、インテグレーションに特化したのと同じである。SONYはWalkmanを放棄し、音楽や映像のコンテンツ提供に徹するしか術がないかもしれない。
・これからは、提供するサービスの品質が差別化要因になってくる。
-これは言わずもがなで、木目細かな顧客サービスの力を持つ日本の企業には、事業拡大のチャンスが生まれてくるとも言える。
・逆に、トレンドを見失ったところは、衰退するしかない。従来型のハードメーカー、ソフトウエア企業の大半が競争力を失ってしまうので、これからは淘汰・統合の時代になる。
−サービス化が進むと、先行開発のできる企業が限られてくるので、資金ニーズが小さくなる。VCもすでにIT投資を見限っていて、よほど筋のいい案件でないと投資をしなくなった。これからは、むやみやたらと大きな資金が必要となってくるような投資案件には、あまり見向きもしなくなると思われる。より小さな資金で事業拡大することを考えるべきである。
SONYを事例として取り上げたが、別段SONY自体を攻撃する気は全くないことをお断りしたい。しかし、日本の代表選手と言える世界のSONYですらそういう危機に瀕している、ということは事実なので、あえて取り上げさせていただいた。
これからのIT業界は、90年代後半から2000年代前半にかけての、金融再編と同じようなことが起こるのではないかと思っている。合併とリストラの繰り返しである。すでにその兆候は現れていて、昨年、TISとインテックの合併があったが、今後も、たとえば、NTTデータと野村総研の合併みたいなものが、どんどんおこってくるのではないかと思う。合従連衡が進めば、しばらくの間は、生き残り組は強くなる。ただし、海外展開ができなければ、国内市場の拡大は望めないため、企業が今後成長することは不可能ではないかと感じている。
金融業界を見てみると、10数年前に、10数行あった都市銀行も、いまや大手3行に集約された。いずれも現在の姿だけを見ると、非常に大きく強いのではあるが、統合の過程で、海外拠点を大幅に縮小し、人材も失ってしまった。これからの世界競争の時代には、成長性が乏しくなってしまっており、IT業界も、同様のことがおこるのではないかと、大変懸念しているところである。
決して明るい未来ではないが、逆に上記環境の変化を積極的にとらえるところは、非常に強くなる可能性を秘めている。そろそろ来年度の事業計画を策定する時期であると思うが、ということで、一度真剣に考えてみてはいかがだろか。
(徳田浩司 koji.tokuda at www.fusion-reactor.biz)
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