前回、 『2008年はサービス化が新たなステージへ』という2008年の新春展望の補足で、SIの市場が人口動態により、大幅に縮小するというお話をした。ちょっと話はそれるが、前提となる人口動態による、日本市場の動向についてご説明したい。
ここで、非常に重要な指摘をしたい。もし、あなたの会社の売上が日本市場だけなのに、今後も成長戦略を描いているならば、明らかにそれは間違っている。
90年代の失われた10年のあと、景気は回復したが、それは日本最後の繁栄かもしれない。これからは、30代、40代の中核層の人口が大幅に減少し始める。早ければ2010年頃から日本の人口減の影響が現れる。世界での相対的な日本市場の地位が後退するのだ。
それは以下の人口ピラミッドの推移を見ると明らかだ。

これまで、日米の市場規模の格差は、1:2と言われていたが、近い将来1:3、1:4、さらに1:5〜と格差はどんどん広がっていくのだ。そのため、すでに、アメリカの企業の多くは日本市場への興味を失っている。
一方、アメリカも同じく、ベビーブーマーが高齢化するが、移民政策により、30代、40代の優秀な中核層人材を輸入することで、社会が活性化され、維持・拡大する。不動産ブームによるサブプライム問題も、人口が増え続ける社会においては、不動産の需要は増えることがあっても減ることはなく、いずれ解消する。日本の90年代のバブル崩壊とは、全く前提条件が異なる。
アメリカは21世紀も、世界最大の市場であり続けるのだ。日本が、日本にとどまることはどんどん縮小していくことを意味する。なぜ日本企業はもっともっとアメリカに出てこないのか?
いくつかのベンチャー企業の暫定CFOを勤めるため、仕事柄、日本のベンチャーキャピタルとお話をする機会が多い。常に感じるのが、彼らのほとんどが日本市場しか見ていないということだ。世界の大きな市場を相手にしているビジネスであっても、日本での市場があまりなければ、一切目もくれないのだ。しかし、それは間違っている。パイが小さくなる日本市場にとどまる企業だけに投資を行うならば、明らかに成長性は乏しいだろう。海外のことを理解するのは簡単でないかもしれない。また、言葉が不自由で思ったように情報を集められないかもしれない。苦しくてもやるしかない。しかし、上記の状況が今後も続くならば、日本のVC業界は、残念ながら完全なる斜陽産業と言えよう。
(徳田浩司 koji.tokuda at www.fusion-reactor.biz)
詳しくは、以下のエントリーに解説してあるのでこちらもご参照いただきたい。
IT企業よ、決死の覚悟で米国に進出せよ! −日本の人口動態とIT産業の行く末
http://blog.japan.zdnet.com/tokuda/a/2006/08/it_it_2.html
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