ヤフー買収提案−サービス化へギアチェンジを決断したマイクロソフト

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サービス化の進展を表す、ビッグニュースが新たに飛び込んできた。

1月31日、マイクロソフトがヤフーに対し、446億ドルで買収する買収提案を行ったことを発表したのだ。買収提案は今回がはじめてではなく、過去はいずれもヤフーが退けており、今回これが実現するかどうかはわからない。しかしながら、通常は水面下で進めるものを、今回は先に正式発表を行うなどかなり真剣で、マイクロソフトの危機感は非常に大きいことがうかがえる。ITの付加価値の所在が、ハードウエア・ソフトウエアから、サービスにシフトを続けているからだ。

マイクロソフトも独自のポータルサイト、MSNを持つが、王者Googleに対し、差が広がる一方だ。マイクロソフトはOSでデファクトであるし、Linuxなどオープンソースにおける対抗馬があっても、OS事業においては今後も王者として君臨するに違いない。ウインドウズは、デファクトとして進みながら、数年置きにバージョンアップを繰り返し、上位のミドルウエアを吸収して、買い替え需要を起こしてきた。しかし、それも今後は通用しなくなる可能性が高い。

新しい異変が起こっているからだ。

ソフトウエアビジネスが、ソフトを物理的なパッケージで売る時代ではなくなってきているのだ。インターネットの進展により変革が起きてしまったのだが、ソフトが持つ付加価値の提供の仕方が、パッケージ売りから、本来コンピュータが持つ業務処理というサービスの形態としての売り方に、シフトをしてきているのである。

そして、もう一つあるのが、コンピュータのプラットフォームとしての、PCの位置づけが相対的に低下しているということだ。最近、発表になったNTTドコモとGoogleとの間で交わされた、インターネットサービスにおける提携が、PC離れを物語っている。

サービス化の進展と同時にモバイル化が進み、これまでインターネットを使うためのインフラが、PCだけではなく、携帯電話であったり、PDAであったり、そしてiPhoneが登場したことで、今後はPCである重要性が薄れてきたのは明白だ。PCにおけるOSとしてのWindowsは、今後も君臨し続けても、モバイルを含めた、大きな枠組みでとらえたコンピューティングの世界の中では、Windowsの相対的な地位の低下が懸念されるのだ。

以前のエントリー、BEA買収にみるサービス化の進展 でご説明した図を再度ご紹介したい。

SI3.jpg

ここでいうITとは、PCベースである。サービス化によってPCというプラットフォームに依存しないサービスが増えてきたら?マイクロソフトの牙城も崩れていくのだ。そのため、OSの成長の余地は相対的に次第に小さくなっていく。サービス化の進展と、広告モデルの拡大によって、ソフトウエアがパッケージで売れる時代は終わりを告げたのだ。

ヤフー自体も、Googleの後塵を拝しており、経営合理化を進めるなど苦境にある。そのため、今回は、マイクロソフトの提案を退ける可能性は低いという下馬評だ。もし買収に成功し、Googleに対抗しえる大きな対立軸ができあがれば、今後両者が激しく競争していくことが予想され、サービス化の進展が劇的に加速していくことになるだろう。

(徳田浩司 koji.tokuda at http://www.fusion-reactor.biz


追 記

マイクロソフトからの買収提案を受けて、ヤフーからプレス発表が行われた。ちなみに英文をYahoo翻訳で英日翻訳したものを転記した。



Yahoo! Board of Directors to Evaluate Unsolicited Proposal From Microsoft

マイクロソフトの頼んでもいない提案を評価するYahoo!取締役会

SUNNYVALE, Calif., Feb 01, 2008 (BUSINESS WIRE) -- Yahoo! Inc. (Nasdaq:YHOO), a leading global Internet company, today said that it has received an unsolicited proposal from Microsoft to acquire the Company. The Company said that its Board of Directors will evaluate this proposal carefully and promptly in the context of Yahoo!'s strategic plans and pursue the best course of action to maximize long-term value for shareholders.

SUNNYVALE、カリフォルニア、2008年2月01日(BUSINESS WIRE)−Yahoo!社(NASDAQ:YHOO)(主要な世界的なインターネット会社)は、今日、それが社を得るというマイクロソフトからの頼んでもいない提案を受け入れたと言いました。社は、その取締役会がYahoo!の戦略的な計画の前後関係で慎重に、そして、すぐにこの提案を評価して、株主のために長期の価値を最大にするために最高の行動方針を進めると言いました。

「頼んでもいない」という訳語はとてもおかしいが、これを見る限りでは、個人的な見解だが、M&Aは成立する可能性が高いと思われた。

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プロフィール
徳田浩司(Koji Tokuda)
Fusion ReactorのCEO。東京大学工学部卒。三和銀行に入社し、傘下の総合研究所にてシステムコンサルティング業務、銀行でM&A、新事業開発支援、ベンチャー投融資に従事した。2000年三菱商事金融部門に転職、日米のベンチャーファンドへの投資業務に携わった。2004年に独立、米国シリコンバレーに拠点を移し、日米のベンチャー企業のサポート業務、投資業務、IT・金融ビジネスのコンサルティングに従事中。
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