Google Appsを全社導入してみる

2007年03月26日 02:02
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 ZDNetさん@ITさんにも記事にしていただいたのだが、「エンタープライズ2.0だ!」と騒いでおきながら、自分達で何も使わないのも「紺屋の白袴」だろうということで、リアルコムでもGoogle Apps Premier Editionを全社導入することになった。100人クラスの企業での本格的な全社導入いうことでは国内初の事例なのではないかと思う。今日はGoogle Apps全社導入の実際ということでリアルコムにおける導入事例をご紹介したい。


■日米中の3拠点体制をサポートするインフラ

 リアルコムの社員数は70人。開発プロジェクトに参加しているパートナー企業を加えると情報共有基盤のユーザーは約100人となる。社員数は100人に過ぎないのだが、リアルコムの1つの特徴は、日米中3拠点のグローバル開発体制を敷いているところにある。
 
 リアルコムには製品開発拠点として米国シリコンバレーにREALCOM Technology Incという子会社があり、製品開発プロジェクトの企画やマネジメントは米国主導で行われてる。一方、製品開発の開発や品質保証のプロセスは中国にあるAugumentumというパートナー企業にプロセスアウトソーシングをしている。また、製品マーケティングや国内販売の機能は東京本社にあるため、すべての製品開発プロジェクトは日米中の3拠点体制で行われている。情報共有基盤としてこうしたグローバルコミュニケーションをサポートする必要がある。

 また、コンサルタントやプロジェクトマネージャー等のプロフェッショナルサービススタッフは、社内ではなくお客様のところに常駐していることも多い。そのため、社内LANの外からもセキュアにアクセスできるユビキタス環境が求められている。


■グローバル、使い勝手、コスト

 これまでのリアルコムの情報共有基盤は、メールはオープンソースのメールサーバーを、スケジューラーはサイボウズOfficeを、チャット/電話はSkypeを利用、情報共有やコラボレーションには自社製品KnowledgeMarket EnterpriseSuiteを利用していた。サーバー運用は外部のデータセンターにアウトソースしていたが、構築・保守・メンテナンスは自社IT部門スタッフが行っていた。

 既存環境の大きな問題の1つがグローバル対応であった。KnolwegeMarketやSkypeはもちろんグローバル対応されていたのだが、サイボウズOfficeはグローバル対応されておらず、スケジュール共有にしても海外時間に対応する機能がなく、海外拠点との日程、時間調整が難しいという課題を抱えていた。

 2つ目がユーザーの使い勝手の問題であった。これまで様々なツールが個別に展開されていたが故に、ツールの使い分けが煩雑になっており、どのツールを使ってよいのかわからないということもあった。また、ツールによっては社内LAN環境外からでは利用できないものもあり、ユビキタス環境とは言いがたい状況であった。

 3つ目が運用コストの問題である。様々なツールを保守運用するには多大なコストがかかる。データセンターへのアウトソースのコストに加えて、自社スタッフの保守・メンテのコストも馬鹿にならないレベルに達していた。

 こうした3つの問題をGoogle Appsは一気に解決した。メール、スケジュール、チャット/IP電話部分はGoogle Appsに移行し、オープンソースのメール、サイボウズ、Skypeを廃止した。こうして、社内の情報系システムはGoogle AppsとKnowledgeMarketの2つに統合された。

 新環境ではグローバル対応はもちろん、ツールが2つに集約されることで使い勝手は格段に向上した。Google Appsは社外環境からでもセキュアに利用できるため、ユビキタス環境も完成した。コスト面では利用料は1ユーザーアカウント当たり年6300円なので、100ユーザーで年63万である。データセンターのラックが減った分で十分おつりが来る金額だ。

 現在利用しているのはGmail、Callender、Gtalkが中心で、Docs&Spredsheetの利用は今のところ未知数である。社内のオフィス環境は標準でOpenOffice.org、営業系の社員はマイクロソフトオフィスを使っているが、場合によってDocs&Spredsheetを使うケースも出てくるかもしれない。その他、Google Appsの操作感などは今後、順次レポートしていきたい。


■Google Apps連携ソリューション

 Google Appsはメール、スケジュール等の基本的なグループウェア機能を持つが、文書管理や掲示板・コラボレーション等の情報共有の機能は持っていない。リアルコムでは、情報共有の部分に自社製品であるKnowledgeMarketを活用しているが、他のGoogle Apps利用企業でもKnowledgeMarketとGoogle Appsがシームレスに連携することで情報共有基盤のトータルなSaaS環境を提供できると考えている。

 Google Appsと連携した相互補完ソリューションは既に鋭意開発中である。その詳細については、先日ご紹介したセミナーで発表するので今日はここまでにしておくが、Google Appsを補完するSaaSサービスだと思っていただければよいと思う。

 Google Apps関連のビジネスが今後ホットになってくるので是非注目していていただきたい。



吉田健一@リアルコム

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プロフィール
吉田健一(Kenichi Yoshida)
リアルコム取締役、Chief Marketing Officer。一橋大学商学部卒。戦略系コンサルティングファーム、ブーズアレンのコンサルタントを経て、情報共有・コンテンツマネジメントソリューションを手がけるリアルコムの創業メンバー。同社ではコンサルティング・マーケティング部門を統括、ソニー、NEC、三菱東京UFJ銀行、ニコン、ファイザーなど国内大手企業の情報基盤戦略に関するコンサルティングを多数手がける。情報共有、ナレッジマネジメント、ポータル、次世代情報基盤などのテーマの第一人者。著書に「この情報共有が利益につながる」(ダイヤモンド社)等。
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